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アリ氏、イスラム式で葬儀 3日に74歳で死去

[ 2016年6月10日 00:45 ]

 3日に74歳で死去したボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン、ムハマド・アリ氏のイスラム教にのっとった葬儀が9日、出身地の米南部ケンタッキー州ルイビルで営まれた。自身を「グレーテスト(最も偉大)」と称するなど強烈な個性で知られ、黒人差別撤廃の公民権運動の象徴だった同氏は、米国で最も有名なイスラム教徒でもある。

 米メディアによると、葬儀会場は1960年代にアリ氏がボクシングの試合で勝利した場所。主催者によると、参列者の宗教を問わず誰でも参加できるようにしたいとのアリ氏の生前の希望に沿った式となった。10日にもルイビルで公葬が開かれ、ビル・クリントン元大統領やアリ氏を描いた映画の主役を演じた俳優ウィル・スミス氏らが参列する予定。

 アリ氏は64年2月、ヘビー級チャンピオンになった翌日、「アラー(神)と平和を信じている」と述べ、イスラム教徒であることを公表。本名のカシアス・クレイは奴隷の名だとして、以後アリを名乗った。

 アリ氏は今年の米大統領選で、共和党候補指名を確実にした実業家トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を唱えたことに対し、名指しは避けながらも「イスラム教を個人の利益追求のために利用しようとする人物」がいると批判していた。

 アリ氏は引退後、パーキンソン病で長い闘病生活を送り、敗血症性ショックのため死去した。(共同)

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2016年6月10日のニュース