和気7・20世界初挑戦 リーゼントが崩れる前に「ブッ倒す!」
IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦12回戦 同級1位・和気慎吾VS同級2位ジョナタン・グスマン
(7月20日 エディオンアリーナ大阪)
ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級1位・和気慎吾(28=古口)が7月20日にエディオンアリーナ大阪で同級2位ジョナタン・グスマン(26=ドミニカ共和国)と王座決定戦を行うことが6日、都内のジムで発表された。和気は世界初挑戦で、WBA世界フライ級王者・井岡一翔(27=井岡)とのダブル世界戦となる。鑑別所生活も経験した元不良少年の“リーゼントボクサー”は髪形が崩れる前のKO決着を予告した。
和気はビシッとリーゼントを決め、セコンドに就く俳優・画家の片岡鶴太郎(61)から贈られたタキシードに身を包んで会見に臨んだ。指名挑戦者決定戦に勝ってから約1年、ようやく訪れた世界戦のチャンス。「まだ挑戦できないのかとヤキモキしていた。凄く楽しみ。世界のベルトを巻くことを毎日夢に見ている」。会場は故郷・岡山に近い大阪、試合翌日は29歳の誕生日。舞台が整い、「生涯忘れられない日。翌日の新聞も記念になると思う」と気合を入れた。
中学で不良グループの仲間入り。漫画「ビー・バップ・ハイスクール」の影響を受け、「周囲は金髪ロンゲだったけど、オヤジ世代の不良に憧れて」卒業式でリーゼントを決めた。高校ではボクシングでインターハイに出場する一方、バイクでの暴走やケンカで警察の世話になり、3年の冬に少年鑑別所で1カ月間を過ごした。だが、プロ向きと見込んだ古口ジムの古口哲会長が身元引受人となり、上京することで少年院行きを回避した。
当初は伸び悩み、何度も辞めようとした。しかし、父・文利さんに「お前の試合を見るのが生きがい」と言われ、「ここで辞めたら本当の親不孝者」と思いとどまった。「恥ずかしくない年齢になったらやろうと思っていた」リーゼント姿でリングに上がるようになって才能が開花。13年に東洋太平洋王座を獲得し、世界への道が開けた。
前IBF王者フランプトン(英国)の王座返上により、21戦全勝全KOのグスマンとの決定戦が決まった。それでも和気は「僕の方がスピードもあるし、圧倒的に勝つ自信がある。立ち直れないぐらいのKOでリングに沈めてやる」と強気一辺倒。テレビ生中継に「一番見てもらいたいのはリーゼント。初めて見る人も僕のことが分かるように髪形が崩れる前、中盤にはブッ倒す」と意気込んだ。
◆和気 慎吾(わけ・しんご)1987年(昭62)7月21日、岡山市生まれの28歳。中1で地元のジムに入り、岡山商大付高3年時の05年にインターハイ出場も1回戦負け。上京して古口ジムに入門し、06年10月にプロデビュー。13年3月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得して5度の防衛に成功。15年6月、IBF同級3位タワッチャイ(タイ)に判定勝ちして指名挑戦権を獲得した。身長1メートル73の左ボクサーファイター。家族は両親と兄2人。
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