WBA推薦物足りず…内山 大みそかV11戦は弱いヤツお断り
ボクシングのワタナベジムは4日、WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(35)が11度目の防衛戦を12月31日に東京・大田区総合体育館で行うと発表した。WBA世界ライトフライ級王者・田口良一(28)の2度目の防衛戦とのダブル世界戦になる。ともに対戦相手は後日発表されるが、陣営はWBAが紹介してきた内山の相手候補を却下し、厳選した挑戦者とのみ対戦する方針を明らかにした。
5年連続となる大みそかの世界戦。5月下旬に左肘の遊離軟骨除去手術を受け、その後は順調に練習を積んでいる内山は「いつでも試合ができるコンディション。1週間後でもできる」と不敵な笑み。「最近はお客さんも(大みそかの)予定を空けてくれている。面白い試合で、いい勝ち方をしたい」と意気込んだ。
ワタナベジムの渡辺均会長によると、対戦候補は「中南米の選手」。交渉は大詰めで、今月中旬に発表できる見込みだ。実はWBAから紹介された有力選手が挑戦者に決まりかけていたが、陣営は「内山とは力の差がある。もっと強い選手がいい」と却下。日本人を含む複数のオファーの中から「防衛10回の内山がモチベーションを保てる選手。できれば無敗でファンが認めてくれる選手」(渡辺会長)のみを選ぶ方針を固めた。
内山は来年にも海外でのビッグマッチ開催を希望。先月には同門のWBA世界スーパーフライ級王者・河野公平が米シカゴで亀田興毅を破り、刺激を受けた。「上のステージでやりたい気持ちがある。IBFやWBO王者との統一戦もチャンスがあればやりたい。WBA正規王者(フォルトゥナ=ドミニカ共和国)との統一戦も頭にある」。そのためにも挑戦者は、内山の“価値”を落とさない相手が求められる。
元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏が持つ防衛13回の日本記録まであと3。「当時は団体も少ないし、環境も今とは違う。倍ぐらい防衛しないと具志堅さんに並んだとは言えない」と話すが、先月29日に開かれた具志堅氏の国際殿堂入り祝賀会では当時の映像を見て新たな刺激を受けた。「ファイティングスピリットが凄い。自分も、もっと感情をむき出しにしていかないと。貴重な経験だった」。厳選した強敵相手の刺激的な試合で、今年もボクシング界を締めくくる。
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