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三浦 「一撃」TKOでV4!ボンバーレフト「ガッツリ来た」

[ 2015年5月2日 05:30 ]

3回、コーナーに相手を追い込んだ三浦はボンバーレフト1発でKO防衛

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦 ○王者・三浦隆司 3回1分29秒TKO 同級6位・ビリー・ディブ●

(5月1日 大田区総合体育館)
 WBC世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司(30=帝拳)は同級6位のビリー・ディブ(29=オーストラリア)を3回TKOで下し、4度目の防衛に成功した。

 挑戦者が得意の足を使い、王者の前進をさばききった初回。三浦を指導する葛西トレーナーには既に、5回までにKOする道が見えていた。「1回から腰の入った左ボディーが届いていた。KOへのカウントダウンのようなところもあるから」

 じわじわとプレッシャーをかけ続けて迎えた3回。作戦通りコーナーに追い込んだ三浦の左ストレートが顔面にさく裂した。「ガッツリ(手応えが)来て、抜ける感じ。一撃で終わったなと」。コーナーへ倒れかかったディブに右、そして左のフィニッシュブローは顔のど真ん中へ。仰向けに倒れた挑戦者は立ち上がったものの足元が定まらず、たまらずレフェリーがストップした。「キツいな、と感じる前に終わっちゃった。早ければ早いほどいい」。試合当日に三浦と同じ黒いグローブの使用を要求してきた相手が勢いに乗る前に、代名詞の“ボンバーレフト”でねじ伏せた。

 自身の価値を証明する試合だった。昨年の防衛戦は11月の1試合だけ。記者投票で決まる年間表彰に三浦の名前はなかった。「自分の実力不足と思うけど、何かしら(賞は)もらえると思っていた。評価されずに悔しい気持ちはあった」。同僚のWBC世界バンタム級王者・山中慎介が先月に派手なKO勝利を収めたとあり、相手を一撃で倒しきるKOにこだわってV4戦に臨んでいた。

 敵地防衛に指名挑戦者撃退、今回は元IBF世界フェザー級王者にも圧勝。価値を高めていく王者に対し、帝拳ジムの本田会長は「外国に出たがっているし今度はやらせたい」と米国での防衛戦構想を明かした。WBO王者マルティネス(プエルトリコ)との統一戦は可能性があるという。「そういうチャンスがあればやりたい。強い相手とどんどんやっていきたい」。ビッグマッチに異論を挟む者はいないはずだ。

 ▼三浦 隆司(みうら・たかし)1984年(昭59)5月14日、秋田県三種町生まれの30歳。金足農卒。横浜光ジムから03年プロデビュー。11年帝拳ジム移籍。13年4月に2度目の世界挑戦で、WBC世界スーパーフェザー級王座を獲得。身長1メートル69。左ボクサーファイター。家族は夫人と1男1女。日本フェザー級王座を2度防衛した三政直は伯父。

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