×

【浜田剛史の目】山中V7 研究してきた相手に完勝したことを評価

[ 2014年10月23日 07:50 ]

浜田剛史氏

WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・山中慎介(帝拳) 判定 同級1位スリヤン・ソールンビサイ(タイ)●

(10月22日)
 【浜田剛史の目】

 徹底的に研究し尽くしてきたスリヤンに山中は序盤、タイミングを狂わされた。スリヤンはもともと頭から突っ込んでくるようなタイプではないのだが、この試合では接近してくっつき、右を連発して山中を戸惑わせた。離れれば左が飛んでくることへの警戒もあったろう。

 なかなか自分のペースに持ち込めない厄介な相手に対して山中に求められたのは、その上を行けるかどうかだ。その点での山中には、やりにくさの中にも分析していた様子が見られ、それが中盤の巻き返しと決め手の左で3度のダウンを奪う展開につながった。ただ、勝てばいいと必死のスリヤンとKO防衛の期待がかかる山中との間には、心理面で大きな差があったと思う。が、そのあたりはやはり経験と自信が感じられ、また左の使い方にも工夫があった。KO防衛を期待していたファンの方々にとって判定決着は不満な面もあったろうが、山中の持ち味を徹底して殺しにかかった相手をKO寸前にまで追い詰めての勝利を私は評価したい。(元WBC世界スーパーライト級王者)

続きを表示

2014年10月23日のニュース