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山中 勝って海外統一戦へ!挑戦者“妨害”動じず「KOする」

[ 2014年10月21日 05:30 ]

<WBC世界バンタム級調印式>調印式を終えファイティングポーズを取る王者・山中慎介(右)とスリヤン・ソールンビサイ

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介 VS 同級1位・スリヤン・ソールンビサイ

(10月22日 代々木第2体育館)
 調印式が都内で行われ、王者の山中慎介はグローブチェックでスリヤン陣営からクレームをつけられたものの、動じる様子もなくKO勝利を宣言した。山中陣営は今回勝てば、来年はいよいよ海外に進出し、他団体の王者との統一戦などビッグマッチに乗り出す構えだ。

 調印式でスリヤン陣営が先制攻撃を仕掛けてきた。互いに試合で使うグローブを確認し合うグローブチェック。山中には黒、スリヤンには青が用意された。そこで突如、相手マネジャーのスチャート氏が「同じ色のグローブを使いたい」とゴネだした。

 契約で両者は異なる色の同じ日本製グローブを使用することが決まっていた。にもかかわらずWBCの立会人に執ように食い下がって、山中と同じ黒グローブの使用を主張。結局、周囲になだめられて断念したが、不満げに山中のグローブに不正がないかを確認し、試合で別のグローブにすり替えられないように証拠写真を撮るなど、調印式は10分近く中断された。

 山中サイドへの明らかな嫌がらせだった。スチャート氏は「公平な条件を要求しただけ」と悪びれた様子はなし。そのやりとりを遠目から眺めていた山中は「自分が青、相手が黒でもいいから、早く(騒動が)終わってほしかった」とあきれ顔だ。ただ、判定勝利で初防衛に成功した12年4月のダルチニアン(オーストラリア)戦でも同様のクレームがついたことがあり「こういう時は向こうにいい結果が出ないもの」と動じなかった。

 今回KOで勝てば、具志堅用高の日本人最多6連続KO防衛に並ぶ。そして帝拳ジムの本田明彦会長は「勝ったら、来年はこっちから出ていく」と明言した。他団体王者との統一戦を視野に入れ、海外進出を本格的に検討する意向だ。今月25日にIBF王座決定戦に出場する同級1位のカバジェロ(米国)が勝った場合は最大のターゲットになるという。夢が広がる大事な一戦に向け、王者は「しっかりKOで勝って、強さを証明したい」と力強く語った。

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