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一翔 3階級再挑戦へ圧倒再発進!内容不満も“勝利が収穫”

[ 2014年9月17日 05:30 ]

<井岡一翔・パブロ カリージョ>10R、井岡の右がカリージョの顔面を捉える

 ダブル世界前哨戦で、WBA世界フライ級5位の井岡一翔(25=井岡)はノンタイトル10回戦で同14位のパブロ・カリージョ(26=コロンビア)に3―0で判定勝ちし、5月のプロ初黒星から再起した。陣営は大みそかの3階級再挑戦に向け、交渉を本格化させる。

 満足とは言えない。それでも井岡は10回を力の限り戦い抜き、心地よい疲労感を味わった。

 「攻撃しながら横の動きを使ったり、コンビネーションをもう1つ、2つ増やせれば。少し芯を外されてKOチャンスを逃した。でも、どのラウンドも戦う姿勢で勝てたのは自信につながる」

 8回からの残り3回は闘争本能をむき出しに激しくど突き回した。左のダブル、右フックからの左ボディー、いきなりの右。足を使って有利な距離を保つ特訓を忘れたかのように、近距離で被弾しながら叩き込んだ。セコンドの父・一法会長から「ニュースタイルは!」の叱責(しっせき)が飛んでも耳に届かない。

 ダウンは奪えなかったが、5、7、10回と3度も強打でマウスピースを吐き出させるなど圧倒。最大8点差をつける完勝だ。「世界ランカーに気持ちで負けなかった。勝てたことが一番の収穫」と少し表情を緩めた。

 3階級制覇を狙った5月、IBF王者アムナト・ルエンロン(タイ)に判定負けでプロ初黒星を喫した。リーチ差に苦しみ、攻めが単調で不完全燃焼。きれいな顔のままリングを降りても、悔しさばかりが募った。再起戦に向けた特訓の成果は、全ては披露できなかったが、現階級が主戦場のカリージョにも見劣りしない体つきと戦いぶりで復活をアピールした。

 「自分の体にベルトがないと、しっくりこない。世界チャンピオンになった時が本当のカムバック」

 ジムには8月に日本スーパーフライ級王座を獲得した石田匠(22)、東洋太平洋ライト級王者の中谷正義(25)ら戦友がいる。大みそかに自身の3階級再挑戦、さらに宮崎らと4大タイトル戦という夢構想もある。仲間との切磋琢磨(せっさたくま)で悲願の実現へ走り続ける。 

 ▼パブロ・カリージョ (対戦経験のある元世界フライ級王者の)コンセプシオンよりスピードもテクニックもあった。井岡は世界王者になると思う。またやりたい。

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