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村田 ヘロヘロ5連勝 初めてKO奪えず「心が折れそうに」

[ 2014年9月6日 05:30 ]

4回、ラッシュする村田(右)だったがKOできず

プロボクシング 73・4キロ契約10回戦 村田諒太 3―0判定 アドリアン・ルナ

(9月5日 東京・代々木第2体育館)
 ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(28=帝拳)はWBC世界ランキング22位のアドリアン・ルナ(24=メキシコ)に3―0の判定勝ち。連続KOは4でストップしたが、デビューから5戦連続勝利を収めた。

 消化不良は否めなかった。村田は堅いガードと、的確なパンチでルナを圧倒しながら、ダウンを奪えない。フルマーク1人を含む3―0の判定勝ちとはいえ、納得できる結果とは言えなかった。

 「倒しに行って、倒せなかった後にスタミナを回復させるすべがなかった。プロ5戦目のキャリアの浅さを露呈しました」

 勝負をかけた後の代償が大きかった。4回、右ストレートでふらつかせた後、強烈なラッシュ。メキシカンはグロッギー寸前になり、リングに手をついてスリップの判定で難を逃れる場面があった。高まるKOの期待。しかし、金メダリストは内心、焦っていた。「ラッシュでスタミナを使った」。6回からは「本当にきつかった。心が折れそうになった。ボクシングで初めて弱気になった」と明かしたほど苦しい状況に陥り、腕の疲労で攻めが単調になった。プロ初体験の判定へ。デビューからの連続KOは4で止まった。

 試合の2カ月前、村田は米国カリフォルニア州へと旅立った。30戦無敗のWBAスーパーミドル級王者、ゴロフキン(カザフスタン)の合宿に参加。王者の豊富な練習量を目の当たりにして、自分の甘さを痛感した。「ハードトレーニングをすれば自信になる」。ゴロフキンからもらった言葉を胸に帰国後、トレーニングの強度を上げた。ジムワークも30分増え、3時間できるようになった。今回は右に続けて左を出せないなどスタミナ以外にも課題をさらしたが「これぐらいのことで失敗と思っていたら上に伸びない」と最後は前を向いた。来年末には世界戦という青写真を描く。米国武者修行の成果は、この先、きっと生きてくる。

 ◆村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良県奈良市生まれの28歳。南京都高―東洋大卒。中1でボクシングを始める。高校5冠、全日本優勝5度など国内計13冠。11年世界選手権2位、12年ロンドン五輪金メダル。アマ通算119勝(89KO・RSC)19敗。昨年4月プロ転向。1メートル82。家族は夫人と1男1女。

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