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和毅V2 左ボディー1発TKO!本場ラスベガス沸かせた

[ 2014年7月14日 05:30 ]

“聖地”ラスベガスで勝利し喜ぶ亀田和毅(AP)

WBO世界バンタム級タイトルマッチ 王者 亀田和毅 7回1分35秒TKO 同級1位 プンルアン・ソーシンユー(タイ)

(7月12日 米ラスベガス・MGMグランド・ガーデン・アリーナ)
 和毅に聖地が沸いた。ラスベガスで行われたWBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者の亀田和毅が同級1位のプンルアン・ソーシンユーを7回に左ボディーで沈め、TKO勝利で2度目の防衛に成功した。日本人王者のラスベガスでの防衛成功は11年10月の西岡利晃以来2人目。昨年12月の世界戦の騒動以来、苦境に立たされる亀田家だが、三男が拳で存在感を示した。

 和毅の放ったその一撃で、数々の名勝負を生み出したMGMグランド・ガーデン・アリーナがどよめいた。9試合興行の4戦目で、観客は数百人。それでも、熱心な本場のファンは豪快なKO劇に歓声を響かせた。今興行のプロモーターで元6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤ氏も「今まで見たボディーショットの中で、最高レベルの一つだった」とうなった。

 7回だ。接近戦を仕掛けた和毅は左アッパーを相手の顔面に入れた。そしてガードの空いた腹に強烈な左フック。「(急所の肝臓に)入ったな」。15歳から武者修行するメキシコ仕込みのボディーブロー。元世界王者のプンルアンは膝から崩れ落ちてもん絶し、再び立ち上がることはなかった。「今までで一番いい試合ができた。俺の誕生日にいいプレゼントになった」。この日、23歳になった王者の聖地デビュー戦は世界戦自身初のKO勝利だった。

 「作戦通り」だ。序盤は動き回り、突っ込んでくる相手のスタミナを消耗させた。4回には右ストレートを顎に食らい、膝がぐらつく危ない場面もあったが、冷静にしのいだ。6回までのジャッジはドロー。「初めは足を使って、後半に打ち合いもできることを見せようと思った」。7回に戦い方を切り替えると、すぐさま仕留めた。

 「ぶっさいくな試合をしたら帰れへんかった。俺らにできるのは最高の試合をして、みんなに認めてもらうこと」。昨年12月の世界戦で大毅が負けて王座を保持した一件で、亀田ジムの会長らが日本ボクシングコミッション(JBC)から事実上の資格剥奪処分を受け、3兄弟は国内で試合ができない。興毅はジム移籍を決意したが、和毅は海外で戦う道を選んだ。3月から4カ月間、メキシコと米マイアミで練習を続けた。一度は決まった5月のメキシコ開催が流れる苦難もあったが、自らスペイン語を駆使して交渉に加わりこぎ着けたのが聖地での一戦。内容も問われる戦いで文句なしの結果だった。

 デラホーヤ氏からは「次の興行にも出てほしい」とのラブコール。戦いの場を確保し、夢のビッグマッチ実現にもほんの少し近づいた。

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2014年7月14日のニュース