井岡と八重樫 ライトフライ級で再戦誓う
激闘が“第2ラウンド”に突入する。日本初のWBA・WBC世界ミニマム級統一王者となった井岡一翔(23=井岡)が21日、大阪市内で会見に臨み、あらためてライトフライ級(48・9キロ)に階級を上げて2階級制覇に挑戦することを明言。敗れた八重樫東(29=大橋)も井岡との再戦を目指して同階級に転向して世界挑戦する意向を示した。史上初となった日本人世界王者同士の対決は階級を上げて再び行われる可能性が出てきた。
八重樫との激闘を制して日本初の団体統一王者となった井岡は、歴史的一戦から一夜明けて、次の目標は明確となっていた。WBC王座を獲得したときから公言してきた4階級制覇。次のステップに向け「もともとやっていたライトフライでやりたい」とリミットが47・6キロから48・9キロとなる1つ上の階級への転向を口にした。かねて「誰が一番強いかに興味がある」と繰り返す王者の標的は、30戦30勝27KOのWBA世界ライトフライ級王者ローマン・ゴンザレス(25=ニカラグア)だ。
ゴンザレスは08年9月にWBA世界ミニマム級王者・新井田豊(横浜光)から王座奪取。09年7月の2度目の防衛戦では元WBC世界同級王者・高山勝成(当時は真正)を下している。井岡が自身の強さを証明するには申し分ない相手となる。
その裏で、八重樫陣営も動き始めた。八重樫もこの日、大阪市内で会見に臨んだが、井岡との再戦モード一色の愛弟子の気持ちをくんだ大橋秀行会長(47)は「(ライトフライ級に)階級を上げて王者になれば再戦ができるかもしれない。WBC王者なら勝てる可能性はある」と青写真を語った。WBC世界同級王者コンパヤン・ポープラムック(タイ)は5月の初防衛戦でTKO寸前まで追い込まれるなど不安定。井岡との激闘を経て成長した八重樫が最高のファイトをすれば王座奪取の可能性は十分。2人が再び王者となれば、必然的に2度目の王座統一戦の機運は高まるはずだ。
過去に世界戦レベルの日本人対決で再戦が行われた例はない。亀田興毅に敗れた内藤大助も興毅が「NO」と言い、再戦不可能だった。だが、今回は日本人同士による王座統一戦自体、不可能とみられていたが開催にこぎ着けた。大橋会長と八重樫の熱意は、再び夢のカードを実現させる。
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