大毅“査定”クリア!「亀田祭り」で2階級制覇だ
元WBA世界フライ級王者の亀田家次男・大毅(22=亀田)が8日、福岡・九電記念体育館でノンタイトル10回戦を行い、2回1分42秒、チャッチャイ・モンソンジム(24=タイ)にKO勝ちした。スーパーフライ級での世界挑戦に向けた査定試合をクリアした大毅は、秋に世界前哨戦を挟んで年末の「亀田祭り」で2階級制覇に挑む。
これまでの大毅にはなかったKOシーンだった。2回、右アッパーでダウンを奪うと、立ち上がった相手をコーナーに詰め、スムーズなコンビネーションを繰り出した。右フックから左ストレート、右ボディーに散らし、最後は右フック。再び倒れた相手は10秒以内に立つことはなかった。
「コンビネーションで倒したのは、初めてちゃうかな」。本人も進化に驚く。過去のKOは得意の左フック、左ボディーの単発がほとんど。「右を出すことが課題」と言われてきた大毅が、課題を飛び越えたコンビネーションでのKOだった。
正月に世界王座を返上し、4月の転級初戦で5回KO勝ち。2階級制覇への「査定試合」となった転級第2戦は、実はベタ足フットワークの矯正が課題だった。瞬発力強化のため、足にゴムチューブを付ける亀田流練習にも取り組んできた。
しかし「ステップを生かしたかったけど、相手が前に出ないタイプだったので」と、成果は出せなかった。その中で、コンビネーションという突然変異。理由は、大毅の心の変化かもしれない。
転級第1戦後の6月上旬、練習嫌いが直らない次男を見て長男・興毅は「気持ちが入っていない」と父・史郎氏に伝えた。父の怒りの拳は大毅でなく、家の壁を突き破った。拳はあんパンのように腫れた。「大毅を殴るわけにはいかへん」。父の意外な行動に心が動いた。
本格的にステップワークと下半身強化に取り組んだ。真剣に挑む過程で無意識にコンビネーションが出ていたとも考えられる。試合で突然、できたことは、えてして急速に身につくものだ。「KOは手応えになった」。この感触が、何にもまさる収穫だった。
「9月末か10月上旬に1試合挟んで、年末に世界をやりたい」。2階級制覇への手応えもつかんだ。「3人で世界王者になるのが夢やからな」。3兄弟同時世界王者でギネス申請。マイペースの次男がその気になれば、亀田家の野望も実現に大きく近づく。
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