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怒りの右ボディーさく裂!粟生“お仕置き”初防衛

[ 2011年4月9日 06:00 ]

2R、粟生の左がグチェレス(右)のボディーを捉える

WBCトリプル世界戦 スーパーフェザー級

(4月8日 神戸ワールド記念ホール)
 WBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(27=帝拳)は同級3位のウンベルト・グチェレス(22=メキシコ)に4回1分6秒、右ボディー一発でKO勝ちし、初防衛に成功した。粟生は世界戦では初のKO勝利となった。

 粟生が右ボディー一発で“鬼門”を突破した。4回だ。相手の左をかわし、みぞおちに叩き込んだ右フック。粟生がグチェレスに背を向けて右拳を突き上げると、マウスピースを吐き出した相手が立ち上がることはなかった。前日計量で3度も体重計に乗った挑戦者に対し、怒りで誓った鉄拳制裁。フェザー級時代に失敗した初防衛戦を、自身世界戦初のKOで飾って見せた。

 東日本大震災の影響を受けたトリプル世界戦。自身の後援会にも被災者がいた粟生は「何かしたい」と父・広幸さんに相談。後援会にチャリティーを呼びかけ、50万円を被災地に送った。思いはトランクスにも縫い込めた。「We are with you’Tohoku Kanto」。その英文を「いつも応援ありがとう。一緒に頑張りましょう」と説明した。勝利後、リング上でマイクを握ると「日本を盛り上げていきましょう」とあらためてメッセージも送った。

 ◆粟生 隆寛(あおう・たかひろ)1984年(昭59)4月6日、千葉県市原市生まれの27歳。父・広幸さんの影響で3歳からボクシングを始める。習志野高時代に史上初の高校6冠(選抜大会、高校総体、国体を連覇)を達成した。アマ戦績は79戦76勝(27KO・RSC)3敗。03年9月、プロデビュー。09年3月にWBC世界フェザー級王座を獲得。1メートル69・5。左ボクサーファイター。独身。

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