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名城 0-3大差判定負けで2度目陥落

[ 2010年5月9日 06:00 ]

11R、カサレス(右)の右のパンチを食らう名城

 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦は8日、大阪府立体育会館で行われ、王者・名城信男(28=六島)が指名挑戦者ウーゴ・カサレス(32=メキシコ)に0―3の判定で敗れ、3度目の防衛に失敗した。昨年9月の2度目の防衛戦で引き分けた相手との再戦に完敗し、自身2度目の王座陥落。陣営は敵地メキシコへ乗り込んで再戦したい意向を示した。日本人世界王者の王座陥落は亀田興毅、長谷川穂積に続いて今年3人目。男子の現役世界王者は4人に減った。

 カサレスのテクニックに翻ろうされ続けた36分間だった。初回から積極的に出た名城だったが、接近戦を挑んでは離れ際にパンチを浴びてポイントを奪われた。8回は打ち合ったが、10回には「一番効いた」という左のカウンターフックを浴びた。3者3様の判定で引き分けた昨年9月の対戦では挑戦者がスタミナ不足を露呈。「中盤を取られても取り返せる自信はあった」が、後半に入ってもつかまえきれずに判定は6点差が2人、2点差が1人の大差。「アウトボクシングでごまかされた。(スタミナが)落ちたのは僕でした」と肩を落とした。

 再戦のテーマは「初心」だった。昨年9月の初対決では序盤に相手を見すぎたため、「上から目線でいったらエラい目に遭うからガツガツいく」ことを心に刻んだ。初回から飛ばしてもバテないスタミナを付けるため、2月の沖縄合宿では10日間、1日20キロを走り込んだ。前WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(真正)からは、3月のスパーリング時に「自由に戦った方が名城君の良さは出るよ。考えすぎるより、自由な発想でやった方がいい」と声を掛けられた。4月30日に11度目の防衛戦で敗れた1つ上の先輩の分も、と上がったリングだったが雪辱は果たせず、2度目の王座陥落となった。

 試合後のリング上ではカサレス陣営から「ダイレクトリマッチOK」と声を掛けられた。再戦は名城も望むところで「ぜひやりたい。次はぜいたく言わずに海外で戦う夢をかなえたい」と意欲を口にした。三たび世界のベルトを巻くためには、敵地メキシコへも乗り込む覚悟だ。

 ◆名城 信男(なしろ・のぶお)1981年(昭56)10月12日、奈良市生まれの28歳。奈良工―近大と57戦のアマチュア経験を積み、03年7月プロデビュー。05年4月に日本スーパーフライ級王座獲得。06年7月、国内最速タイの8戦目でWBA同級王座を奪取。一度陥落するが、08年9月に同王座に返り咲いた。力強い連打で攻め込む右ファイター。

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2010年5月9日のニュース