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興毅 挑発“空振り”…内藤ツーショット拒否

[ 2009年11月28日 06:00 ]

会見が終わり、内藤(左端)をにらみつける亀田興毅(右端)だったが…

 興毅が内藤に肩透かしを食わされた。WBC世界フライ級タイトルマッチの調印式が27日、東京・文京区の後楽園飯店で行われ、王者・内藤大助(35)と同級3位・亀田興毅(23)が約2カ月ぶりに対面。興毅はツーショットによる写真撮影でのメンチ切りを狙ったが、王者陣営の意向で撮影自体が中止され、不発に終わって怒りをあらわにした。さらに遺恨が深まった両者は、28日の前日計量で再び顔を合わせる。

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 宣戦布告の儀式は空振りに終わった。約30分間に及んだ調印式の最後。一瞬だけ目が合った王者・内藤に、興毅がメンチ切りを仕掛ける。だが、約2メートルの距離にいた内藤は素知らぬ顔で会場を後に。「ツーショットがあったらメンチ切るつもりやった。1回、目が合ったけど向こうが逃げた」。ポケットに手を突っ込んだまま王者の背中をにらみ続けた挑戦者は、やり場のない怒りに語気を荒らげた。付き添った父・史郎氏(44)も「(内藤は)だいぶ緊張しとるみたいやし根性がないな」と毒付いたが、あとの祭りだった。
 ツーショットによる写真撮影は調印式の最後に行われるのが恒例。だが興行主でもある内藤陣営が要望し双方合意の上で中止となった。宮田会長は「混乱を避けるため、話し合いでそう決めていた」と説明したが、行き違いで興毅には事情が知らされていなかった。
 緊張感に包まれた調印式も静かなまま終わった。9月24日の対戦決定会見以来、64日ぶりに顔を合わせた両雄は目を合わすこともなく、丁々発止のやりとりもなかった。減量で免疫力が低下しているためマスク姿で出席した興毅は「特に何もないですね。いい戦いをしましょう」と関西弁ではなく標準語で淡々と語っただけ。得意のパフォーマンスもなく「何が起こっても勝つのはオレ。2階級制覇は必ずします」と決意表明したのが唯一の“らしさ”だった。
 28日の前日計量で両者は再び顔を合わせるが、宮田会長は「あしたもツーショットの撮影はないかも」と言う。07年10月の内藤―大毅戦前には調印式と前日計量が同じ日に行われ、大毅がツーショットを一方的に避けた。心理戦の応酬のようにも見える前哨戦。興毅は「オレはどんと構えとるし(既に)ベルトを巻いてるつもりや」と最後は威勢良く車に乗り込んだ。雌雄を決する戦いのゴングは刻一刻と迫りつつある。

 ◆内藤―興毅戦主なルール グローブは日本製8オンスを使用。フリーノックダウン制を採用する。故意のバッティングは負傷のない方から2点減点、偶然の場合は1点減点。偶然のバッティングで試合を停止する場合、4回までは引き分け、5回以降はジャッジの採点による。オフィシャルはレフェリーがエクトル・アフー(パナマ)、ジャッジはダニエル・ヴァン・デ・ヴィーレ(ベルギー)、マキシモ・デルカ(米国)、ヒューバート・ミン(米国)の3人。

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2009年11月28日のニュース