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三沢さんの悲劇繰り返すな…自民党が動いた

[ 2009年6月18日 06:00 ]

 13日のノア広島大会の試合中に起きた事故でプロレスラー三沢光晴さん(享年46)が亡くなったことを受け、自民党が動いた。同党の文部科学部会と文教制度調査会が18日、合同会議を開き、プロレス3大メジャー団体のノア、新日本、全日本の幹部を呼んで事情聴取を行うことになった。会議では事故の再発防止策やコミッションの統一などを話し合うという。三沢さんの事故死が大きな波紋を広げている。

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 日本全国が悲しみに暮れた三沢さんの死が政治の場でも議論されることになった。三沢さんの誕生日だった18日、自民党は渡海紀三朗文教制度調査会会長、元プロレスラーの馳浩文部科学部会部会長が発起人となり、文部科学部会・文教制度調査会合同会議を開催。プロレスラーの事故死について話し合うことになった。会議にはノアの仲田龍取締役統括部長、新日本の菅林直樹社長、三沢威メディカルトレーナー、全日本の武藤敬司社長、内田雅之取締役の5人が招集された。

 元文科副大臣で文部科学部会メンバーの松浪健四郎氏は「プロレスという競技の位置づけを考えなくてはならない」と語っており会議ではプロレス界の現状などを聴く。90年に新日本の試合でバックドロップを受けた後に昏睡(こんすい)状態に陥った経験を持つ馳氏は「格闘技の興行における事故死についての見解を聞きたい」としており、試合中の事故の再発防止策、リングドクターの常駐、定期検診の実施など安全対策についての意見交換や提案を行う意向。さらに馳氏は「コミッションの統一やライセンス制度、日本プロスポーツ協会(JPSA)への再加盟を強制ではないが、提案したい」とプロレス界の改革に向け提言を行う姿勢を見せている。

 かつては新日本と全日本がJPSAに加盟していた時期もあったが、両団体は既に脱退。現在はメジャー、インディーズ合わせれば50以上の団体が乱立。それが人気低下の原因にもなっている。

 ノアは06年9月に三沢さんが初代会長を務めたグローバル・レスリング連盟(GPWA)を創設。将来的にはコミッションとしてプロレス界をまとめる組織を目指していた。馳氏から連絡を受けた仲田取締役は「(プロレス界統一は)当然考えなければならないこと。当事者でもあり参加はいたします。ただ、今回の意図がよく分からない面もある」と話した。

 プロレス界は各団体、レスラーのさまざまな思惑が交錯し、離合集散を繰り返してきた歴史がある。いざ、統一となれば障害は多い。ただ、三沢さんの死が「大きな転機」となる可能性もある。

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2009年6月18日のニュース