ソフトB・田浦 6年目での1軍定着へ「点をやらない」 貴重なサウスポー、左肩痛から回復順調

[ 2023年1月10日 05:00 ]

ブルペンで投げ込むソフトバンク・田浦文丸(撮影・中村 達也)
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第10回は、地元福岡出身の田浦文丸投手(23)。昨季は、1軍戦4試合に出場。フェニックス・リーグで左肩違和感でリハビリ組で調整したが順調に快方に向かっている。来春キャンプに向けて再始動中だ。高卒6年目。貴重な左腕として、今季こその1軍定着を狙っている。

 聞いたら忘れない個性的な名前、フミマル――。秀岳館(熊本)では2年春から3年の春まで、3季連続甲子園4強入りし、3年時はU―18W杯でベストナインにも輝いた田浦が、プロ6年目を迎えた。地元大野城市出身で期待を背負う左腕は、今季こその思いが強い。

 「去年の前半は感じが良かったけど途中で感覚を忘れてしまい、続かなかった。やっぱり1軍で投げたかった。1年間ちゃんとした形で取り組んで、今年こそしっかりしたい」

 4月5日オリックス戦で昨季の初登板も、5月5日の同戦登板後に2軍落ち。4試合で1ホールド、1被弾含む被安打7、防御率9・64。ウエスタン・リーグでは、30試合で防御率4・67と振るわず、昨年10月のフェニックス・リーグ期間中に左肩を痛めてリハビリ組へ。12月中旬からブルペン投球を再開し、年末から尾形らとペイペイドームで調整を続ける。

 「キャンプには間に合いますし、まずは1軍の中継ぎから、またやりたい。中(リリーフ)で結果を残していければ」と意気込む。1メートル68、78キロとがっちりとした小兵左腕だが、投げっぷりの良さが魅力。直球こそ最速は145、6キロだが、切れが売り。最大の武器はチェンジアップだが、昨年の嘉弥真らとの合同自主トレからは、あえてこの得意球を封印。他の変化球を磨いた。

 「チェンジアップを多投すると、曲げて落とそうと思って、欲が出てしまう。他の変化でも抑えられるようにしてきた。現時点でも、球質は戻ってきたし感じはいいですね」と手応えを口にする。

 ソフトバンク投手陣で左は貴重だ。大竹耕が現役ドラフトで阪神に移籍。田浦と新入団選手を除けば和田、大関、嘉弥真、笠谷、モイネロ、木村のみ。1軍定着へのアピール材料は、シンプルに“ゼロ”とみる。「一試合一試合、点をやらないこと。それだけだと思いますね。走り込みとウエート中心に頑張ります」。田浦は、再アピールへの準備を続けている。(井上 満夫)

 ◇田浦 文丸(たうら・ふみまる)1999年(平11)9月21日生まれ、福岡県出身の23歳。小1から野球を始める。糸島ボーイズでは全国大会で2度準優勝。秀岳館では2年春のセンバツからベンチ入り。3年春から背番号1。甲子園出場は4回。17年ドラフト5位でソフトバンクに入団した。1メートル68、78キロ。左投げ左打ち。

 《2年目19歳の木村は“ポストモイネロ”》

 左肩痛から復帰を目指す21年ドラフト3位の木村大成(19)が着々とギアを上げている。すでに60メートル程度の遠投も行い、傾斜を使った立ち投げまで再開。佐久本リハビリ担当コーチは「初めてで怖さもあるみたいなので、慎重にやっている感じがある」と無理はさせないプランで進めているが、経過は順調だ。

 1年目の昨季は2軍戦試合に登板して防御率6.43。投球回数は7回にとどまったが、シャープな腕の振りから放たれる直球の切れは抜群。“ポストモイネロ”として高い将来性を評価されている。

 まだ19歳。佐久本コーチは左肩の細かい筋肉の重要性について「チューブとかでバランスを保つことが大事。バランスを保つ知識を覚えさせないといけない」と説き、リハビリ生活中に体の勉強をさせている。

 2年目に向けて木村は「後半戦は左肩痛で投げられなかった。ケガをしない体づくりをして、1軍を目指して頑張りたい」と飛躍を誓っていた。

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