広島・藤井ヘッドら「外部コーチ」がもたらす新風「今までにない考え方」「新鮮」競争活性化の効果も

[ 2022年11月20日 08:00 ]

坂倉(右)を指導する藤井ヘッドコーチ(撮影・河合 洋介)
Photo By スポニチ

 広島に入団した新コーチが秋の日南で新しい風を吹かせている。新たにコーチとなったのは藤井ヘッドコーチ、石原バッテリーコーチ、福地2軍打撃兼走塁コーチ、新井良太2軍打撃コーチの計4人。石原コーチを除く3人が他球団での指導を経験している。球団幹部が「外でプレーした人の見方をチームに取り入れてほしい」と期待を寄せていた中、秋季キャンプからさっそく効果が表れている。

 藤井ヘッドは「一方通行は嫌い」と明かす指導方針をもとに捕手全員に課題を聞いた。「何に困っているのかを確認し、“こういうのはどう?”と提案をしている」と個々の課題に応じた練習を用意。同ヘッドと同じく今季まで阪神を指導した新井良コーチも「一方通行にならないことを一番意識したい」と同じ言葉を口にした。

 福地コーチの走塁指導はユニークだ。合流初日に課した盗塁練習は投手役がおらず、ゲーム要素を取り入れながら反応の速さを確認。機動力野球復活へ、赤松コーチとともに動き始めた。

 大卒3年目捕手の石原は「秋はしんどい練習が多くなるけど、新鮮なことが多く、楽しさを感じることもできる」と充実の表情を浮かべる。「いままで他球団のコーチの話を聞く機会がなかった。ヤクルトや阪神が“こういうことを意識してプレーしていたのか”という発見もある」と捕手ならではの視点も明かした。福地コーチから走塁指導を受けた矢野は「投手が球を持った時点で勝負が始まっていると。今までにない考え方だった」と目を輝かせながら技術の習得を目指している。

 新コーチが与えてくれる新たな視点は、これまで行ってきた練習の意図を整理することにもつながる。坂倉は「新鮮な部分もありますけど、結果的に言いたいことは(倉コーチと)一緒なのだろうなとも感じた」と明かすと、宇草も「(走塁コーチの)福地さんもアカさん(赤松コーチ)も考えは似ているなと感じる。分かりやすく、やりやすい」とうなずいた。

 新井監督を含めた新首脳陣によりよい印象を与えようと、キャンプに参加する若手は活気に満ちあふれている。藤井ヘッドも「目の色が違うように感じる」と言及する。新コーチが運んできた新鮮な空気によって、新政権は順調なスタートを切った。(記者コラム・河合 洋介)

続きを表示

2022年11月20日のニュース