広澤克実氏が阪神・大山にエール 佐藤輝に負けない気持ちを持つことが肝心 データ研究すれば数字は残せる

[ 2022年3月24日 05:30 ]

広澤克実氏(左)と対談し、今季はチームを引っ張っていくことを誓った大山悠輔 (撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 あす25日に開幕を控えた阪神・大山悠輔内野手(27)に対し、本紙評論家の広澤克実氏(59)がエールを送った。佐藤輝に負けない気持ちを持つことが肝心と提言し、往年の巨人を支えた王貞治と長嶋茂雄の「ON」のような切磋琢磨(せっさたくま)に期待を寄せた。また連続写真からオープン戦打率・196、0本塁打、5打点に終わった打撃フォームの修正点を指摘し「データ研究のススメ」も説いた。

 心からの叫びが記憶に残っている。「(周りから)4番どうこう言われるじゃないですか。どっちでもええやん。試合に勝てばええやん」。沖縄・宜野座キャンプの最終日に大山が取材に対して、語った言葉だ。本人も忘れてはいないはずだ。

 同じことばかり聞かれると、ストレスがたまる。思うように打てないと、またストレスがたまる。でもプロの世界で生き抜くためには、そのストレスと向き合うしかない。ストレスを克服して、さらに強くなるためには、自分が打つしかない。そういう世界に大山もいる。

 打順は本人が言う通り何番でもいい。でも佐藤輝には負けない、勝ってみせる――。その思いを持って、シーズンに臨んでほしい。王さんと長嶋さんの時代からそうだった。チーム内の「負けたくない」という存在が、お互いを高め、チームを強くする。開幕から4番に入る佐藤輝の調子がこのまま良ければ、攻撃のチャンスは大山に回ってくる可能性も高い。そこで、佐藤輝に負けない打撃を発揮するだけ。そこに気持ちを集中してほしい。

 最近の打撃フォームの分解写真を見てみよう。大山のチェックポイントは体が前に突っ込むところ。バットを振り出す前の写真(7)のところで、すでに体重は左足に移っている。写真(8)では、右足はもう爪先立ち。右足から左足への重心移動が早いから「待つ」「ためる」「引きつける」という動作がしにくくなる。メジャー入りする鈴木誠也のようにステップしてその場で回るコツをつかんだら、もっと確実性は上がる。

 だが開幕目前の段階でフォームは変えられない。結果を出すには相手の配球をしっかり読んで打つことが必要になってくる。バッテリーはまず「緩急」そして「内外」「高低」「ストライクかボールか」の4パターンで攻め方を考える。カウントの中でどう絞るか。読みが7割外れても、3割打者だ。データをしっかり研究して取り組めば数字は残せる。持ち前の勝負強さを発揮し、佐藤輝に負けないシーズンにしてほしい。大山ならできるはずだ。(本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月24日のニュース