DeNAドラ1入江の「力み」を消した女房役の言葉

[ 2021年2月27日 20:05 ]

<練習試合 日・D>山本(右)とグラブタッチする入江(撮影・沢田 明徳)
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 キャンプ打ち上げを1日残してDeNAの「キャンプ美談大賞」が決定した。

 山本「(俺たちは)若い2人。当たって砕けろじゃないけど、攻めていかないと」
 入江「そうだよな…」。

 4年目の22歳・山本祐大捕手と、ドラフト1位の同学年、入江大生投手(明大)の間で交わされた会話だ。

 チームは27日に日本ハムと練習試合(沖縄・名護)を行い3―3で引き分けた。先発の入江は、山本とバッテリーを組んで、最速149キロをマークし3回1安打無失点。開幕ローテーション入りへ大きく近づいた。

 前回登板の20日の同・ロッテ戦は先発で2回3失点。三浦監督も自身も「力み倒した」と振り返った。明大でもエースで活躍した入江だが、本人によると「結果を出したい場面ほど力むタイプ」。今キャンプでは入江の「力み」は報道陣の間でも話題になっていたほどだ。今日の快投は右腕が「力みが抜けていた」とした脱力投法。結果に結びつけた。

 山本は「どうすれば入江の力みが消えるか」を考えた末、25日のブルペン投球で組んだ後と、今日の試合前と2度冒頭のように右腕に語りかけたという。入江の反応まで再現したのだから、手応えがあったのだろう。

 自身も1軍キャンプで必死にアピールする立場。打撃は今季対外試合6試合10打数4安打4打点で打率・400と気を吐いているが「捕手なので守備で(投手陣に)安心してもらえるようになりたい」と、女房役としての成長を重視している。

 冒頭の語りかけは入江の力を引き出した山本の「ファインプレー」。ドラ1右腕が安堵(あんど)し、脱力に結びつけたことは間違いない。

 まるで青春映画のひとコマのような「若い2人」の会話は、DeNAの将来に希望の光を与える。三浦監督新体制に注目が集まったキャンプで、打ち上げ前日に「若き星」たちの美しい信頼関係を知った。文句なしの美談大賞だ。 

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2021年2月27日のニュース