広島・クロン 2月中の実戦“皆勤”決定 異例の試みで「日本野球が分かってきた」

[ 2021年2月27日 05:30 ]

<広島沖縄キャンプ>鈴木誠(左)と話すクロン(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 広島の新外国人ケビン・クロン内野手(27=ダイヤモンドバックス)は26日、2月中の対外試合に全試合出場し、本領発揮への足固めとする青写真を描いた。一時は不振に陥るも、直近の対外試合は2試合連続で安打を放つなど復調気配を漂わせる。2月中の残り2試合にも先発予定。打席数を重ねることで、本人も首脳陣も心配無用を強調した。

 今春の対外試合全5試合に先発出場しているのは、クロン、大盛、林の3人のみ。若手2人と立場の異なる新助っ人が、休みなく出場を続けるのは異例だろう。今月の残り2試合(27日の巨人戦、28日の日本ハム戦)についても、佐々岡監督は「(クロンも)当然出る」と言及。2月中の対外試合全てに先発出場することとなった。

 “皆勤賞”の効果はすでに出始めている。対外試合通算17打数2安打、打率・118、1四球、0打点と低調ながら、2試合連続安打中と復調気配。本人は打席数を重ねて、日本独自の配球が見えてきたと分析する。

 「(日本の攻め方は)高めに投げてから、低めの変化球で目線を変えたりして、上下を使ってくると分かってきた。この時期は、調子がいい年だとしてもタイミングが合わないときもあるし、打席を重ねれば大丈夫」

 本人も明かすように、外角変化球を捉えられず18打席で7三振を数えている。「確かに外の変化球が多いけど、自分がボールからボールの球に手を出しているだけ。自分のタイミングが取れるようになればストライク、ボールの判断もできてくる」。27日の相手先発は菅野。リーグを代表する投手の攻め方を2月中に確認できることは、今後の調整にも生きてくるだろう。

 大半の新助っ人は来日すらかなわない中、「(米国と)キャンプの形態が違ったけど、練習をこなしていく間に体はほぼベストの状態に近づいた」と仕上がりは万全だ。迎打撃コーチも結果は気にしておらず、「空振りでもいいし、ファウルでもいい。投手との間合いの中で自分のスイングができればその人なりのパワーは出せる」と打席に立つことの意義を強調する。実戦感覚を研ぎ澄ませていけば、持ち前のパワーは自然と全開にまで近づいていく。 (河合 洋介)

続きを表示

2021年2月27日のニュース