シーズン佳境どうなる?打者タイトル…田淵氏、セ本塁打王争いは巨人・岡本に“地の利”、大穴も!?

[ 2020年9月25日 06:30 ]

阪神・大山(左)、巨人・岡本
Photo By スポニチ

 セ・リーグの優勝争いは巨人がマジック28で独走しているが、タイトル争いは混戦模様だ。コロナ禍で開幕が大幅に遅れ、143から120試合制に短縮された異例のシーズン。打者、投手部門で有力選手は誰か、スポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(74)が打者部門を占った。

 右の大砲2人がデッドヒートを繰り広げる本塁打王争い。岡本と大山。風もなく、本塁打の出やすい東京ドームが本拠地の岡本が有利とみる。私も阪神時代、甲子園で何本ホームランを損したことか。広さはもちろん、右から左に吹く浜風も季節、気候によって風向きが変わるのでやっかいだ。

 OBとしては大山に期待するが、9試合を残す対ヤクルト戦が打率・122、1本塁打と苦手なカードをつくっているのは気がかり。大穴は9月8発と猛烈に追い上げているソトか。18、19年のタイトル保持者。過去11年で日本人の本塁打王は2人しかおらず、ぜひ和製大砲に戴冠を、と願う。私自身もそうだったが、右の大砲の台頭は胸が躍る。最終的には30本台前半の争いになるだろう。本塁打が増えれば自然と打点も稼げる。岡本の初タイトル、2冠獲得も濃厚だ。

 首位打者は佐野、村上の左打者2人の争い。打率上位10人のうちの8人が左と、近年は打撃技術も上がり、左対左も苦にしない。佐野、村上とも対左投手の方が打率がいいのが特徴だ。左足に体重をキッチリ残し、状況に応じて逆方向への打撃もできる佐野を本命にしたい。打率を大幅に伸ばしている村上は3冠王の可能性も残すが、36本塁打だった昨季の方が勢いを感じた。

 盗塁王は近本が断然有利。増田大は代走起用が主で、スタメン出場している近本が2年連続のタイトルの本命だろう。

 【データで見る】
 《本塁打王》岡本なら巨人では10年のラミレス以来10年ぶり。日本人では02年の松井秀喜以来、さらに右打者に限れば61年の長嶋茂雄以来59年ぶりだ。大山なら阪神では86年のバース以来、日本人では84年の掛布雅之以来で、日本人の右打者では75年の田淵幸一以来45年ぶりとなる。ソトが逆転トップとなれば11~13年のバレンティン(ヤ=現ソ)以来の3年連続となる。
 《首位打者》佐野は初の規定打席到達となりそうで、同時に首位打者となれば17年の宮崎(D)に次ぐ16人目となる。全試合先発4番での獲得なら38年春の中島治康(巨)、85年の落合博満(ロ)、01年の松井秀喜(巨)以来4人目の快挙だ。村上ならヤクルトでは10年の青木以来10年ぶり。20歳シーズンでのタイトルなら56年豊田泰光(西鉄)、61年張本勲(東映)、94年イチロー(オ)の21歳シーズンを抜く最年少記録となる。

続きを表示

この記事のフォト

2020年9月25日のニュース