先発マスク6連勝中!昇竜支える郡司の「カメレオンリード」とは

[ 2020年8月24日 17:00 ]

ノックを受け、笑顔の中日・郡司(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 中日のドラフト4位ルーキー郡司裕也(22)が真価を発揮し始めた。8月10日に1軍へ再昇格後、出場機会が増え、現在先発した試合は6連勝中とチームに“運”も運んでいる。6カード連続勝ち越しのかかる阪神戦(25~27日)を前に、電話取材に応じ、好調な要因などを自己分析した。

 × × × × × 

 背番号44が頼もしく見える。開幕1軍の座を射止めながら、7月3日に2軍降格。A・マルティネスの負傷もあって、再び1軍へ戻ってから、チームは上昇カーブを描き始めた。先発した試合は6連勝中。今や貴重な戦力として、中日を支えている。

 「正直、こんなにうまくいくとは思ってなかった。投手陣の調子が非常にいいので、たまたま僕がそういう結果になっているだけだと思っています」

 控えめな人柄がコメントににじむ。もちろん、大野雄、ロドリゲスを筆頭にした先発投手の踏ん張りは欠かせない。一方で、それを引き出す、郡司の手練も、もっとクローズアップされていい。

 「リード?投手の特長、強みというのを生かしてできていると思います。例えばヤリエル(ロドリゲス)なら、ストレートが動くし、スライダーが人より曲がる。そこのコンビネーションを使って、相手に的を絞らせないように、というところですね。福谷さんはテンポの良さとほとんどストライクを投げ込めるところが特長なので、返球を早くしたりだとか、サインを出すタイミングを早くしたりとか、頭の回転も速くすることを心掛けたりしています」

 プロで10年以上ユニホームを着る選手の話ではない。右も左も分からず、自分のプレーで精いっぱいの新人が百戦錬磨の先輩投手の良さを引き出すことに腐心していた。組む相棒によって、思考からルーティン、組み立てまで変える「カメレオンリード」。慶大でもまれた経験がしっかり生きている。

 「オープン戦から開幕くらいの時は捕手として不安しかなかった。初めてマスクをかぶったDeNA戦(6月25日)は打たれる気しかしなくて…。今は自信を持ってマスクをかぶれていますし、少しずつ余裕が出てきたかな、と」

 郡司を変えたのは、約1カ月に及んだ2軍生活だった。武山バッテリーコーチと、配球からスローイングまで基本から見直し。プロの水に慣れるより、原点回帰することが即戦力捕手には必要だった。打撃には定評があるだけに、守備やリードがレベルアップできれば、長年チームの課題になっている「正捕手不在」も一気に解決できる。

 「捕手としてチームの勝ちに貢献できることは何かを考えて、日々勉強して、優勝に貢献したい」

 最後に強調したフォア・ザ・チームのスピリット。顔つきもコメントも、真のプロフェッショナルに近づいている。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月24日のニュース