広島・松山 今季初先発でマルチ安打、唯一の適時打でチーム鼓舞「上がってきたからにはやるだけ」

[ 2020年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-6中日 ( 2020年6月27日    ナゴヤD )

<中・広(2)>2回1死、松山は遊撃内野安打を放つ(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 広島・松山竜平外野手(34)は27日の中日戦で「5番一塁」で今季初先発し、適時打を含む2安打で復活をアピールした。これが「5番」の仕事だ。3点劣勢の4回、鈴木誠が併殺に倒れて2死三塁となる不穏な空気に、松山の集中力は高まった。「ああいう場面で打たないといけない」。1ボールから吉見のシュートを右前に運び、この日唯一の得点となる適時打でチームを鼓舞した。

 「タイミングも取れていたし、球も見えていた。張りが出ることもあるけど、そんなことは言ってられない。(1軍に)上がってきたからにはやるだけ」

 26日に昇格したが出番はなく「5番一塁」での先発が今季初出場となった。2回1死では、三遊間へのゴロに激走して内野安打も放ち、万全をアピールする2安打となった。

 コンディション不良で5月25日にリハビリ組である3軍に合流した。再発防止のため早期の1軍復帰に否定的だった首脳陣の構想とは対照的に、わずか1カ月で1軍に戻ってきた。「みんな調子が良かった。早く戻らないと居場所がなくなると思っていた。早く結果を出したかった」。2軍戦の出場は3試合8打席のみ。実戦不足は、経験で補った。

 開幕から7試合連続で5番で先発していたメヒアが打率・133の不調。加えて、試合前まで得点圏で10打数無安打と、好調の4番・鈴木誠とのつながりを欠いていた。松山は、先発なら5番が最有力とあって、課題解消の糸口が見えてきた。

 競争の活性化にもつながる。堂林が打率・360の好調で一塁の定位置を奪ったばかり。朝山打撃コーチは「(松山は)代打からという考えもあったけど、実績もあるので先発で状態を見たかった。強く振れていたし、2安打はさすが」と合格点を与え、今後は堂林との併用が有力視される。ベンチスタートなら、不在だった「左の代打の切り札」としてスタンバイする。松山の復帰が、各方面に好循環を生む。

 「(先発起用は)ありがたいこと。期待に応えられるように頑張りたい」。連勝は2で止まったが、開幕からわずか1週間の出遅れが、逆に松山の使命感に火を付けたはずだ。(河合 洋介)

続きを表示

2020年6月28日のニュース