広島、泥沼11連敗 交流戦終了後未勝利 緒方監督「勝って球宴休みに入りたかった」

[ 2019年7月11日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1―2中日 ( 2019年7月10日    ナゴヤD )

逆転負けで11連敗となり、記者の質問に答え球場を後にする緒方監督(撮影・椎名 航)
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 現実は過酷だ。広島は8日の中日戦(ナゴヤドーム)に1―2で敗れ、1分けを挟む連敗は1999年以来20年ぶりの11に伸びた。1点優勢の8回に2番手・レグナルトが連続押し出し四球で逆転を許す自滅。もう1点が奪えない攻撃も響いた。借金5を抱え、4位で終えた前半戦。11ゲーム差の首位・巨人を止められるのか。早ければ球宴開け2戦目の16日にも自力優勝の可能性が消える。投打で立て直しが急務だ。

 白星がちらついた先に非情な結末が待っていた。大型連敗が続く過酷な状況で、虎の子の1点を守り抜かなければならないプレッシャーは、ブルペンを支える屈強な助っ人まで押しつぶした。レグナルトは苦渋に満ちた表情で振り返る。

 「チームの勝利に貢献したかったが、フラストレーションをためる結果になってしまった。みんなで勝利をつかみたかったし、全力を尽くしたけど…」

 僅差の終盤8回に2番手として登板。先頭・平田と大島に許した連打から2死満塁のピンチを招き、あと1死というところで制球を大きく乱した。代打・藤井と京田に痛恨の連続押し出し四球。まさに自滅で、つかみかけた勝利を手放した。

 ここまで37試合に登板し、4勝0敗13ホールド。驚異の防御率0・44を誇り、全幅の信頼を置く左腕だけにダメージは大きい。来日初黒星を喫し、佐々岡投手コーチは「押し出しだからね。勝負にいってはいるんだろうけど」と首を傾げた。

 「勝って球宴休みに入りたかったけどね」

 緒方監督は淡々と振り返る。首位・巨人と11ゲーム差、38勝43敗3分の4位ターン。前半戦は激動だった。4月に最大借金8を抱えながら、5月は20勝4敗の快進撃。最大14の貯金をつくったが、交流戦から失速に歯止めがかからない。

 「投打で課題が幾つも出ている。勝負となる夏場に向け、まずそこを修正しないといけないと思っている」

 1分けを挟んで20年ぶりの11連敗。苦境を乗り越え、巨人の独走を止めるには戦力の台頭、安定が欠かせない。球宴期間中の練習には小園、バティスタを呼ぶプランがある。実績のある中崎、一岡、野村らの復調、田中広、松山らの巻き返しも浮上には不可欠だ。

 「連敗はしているけど、一つ流れが変わればいい方向に行くと思う。自分たちの野球を貫き、目標を定めて戦っていきたい」

 リーグ4連覇を目指す今季。早々と白旗を揚げるのか、それとも意地を見せるのか。夏場に真価が問われる。 (江尾 卓也)
 

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