広島 床田が連敗止めた、プロ初完投2勝「素直にうれしい」

[ 2019年4月14日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6―1DeNA ( 2019年4月13日    横浜 )

<D・広>ヒーローインタビューを終え、ファンに両手を振る完投勝利の床田(撮影・久冨木 修) 
Photo By スポニチ

 トンネルを抜けた。広島は13日のDeNA戦(横浜)に6―1で快勝。殊勲は127球の熱投を演じた床田寛樹投手(24)だ。9回を4安打1失点に抑え、うれしいプロ初完投で2勝目を飾れば、打線も鈴木誠也外野手(24)の23打席ぶりの安打となる3点二塁打などで左腕を効果的に援護した。連敗を5で止めた赤ヘル。さぁ、逆襲だ。

 志願して登った9回のマウンド。1死一塁で、途中出場の佐野を145キロ直球で三ゴロ併殺に仕留めると、床田は満面に笑みを浮かべた。17年に受けた左肘じん帯再建術(トミー・ジョン手術)からの完全復活を告げるプロ初完投勝利。表情には達成感がにじんだ。

 「連敗はしていたけど、気負うこともなく普段通りに入れた。素直にうれしいです」

 初回の先頭・神里に内寄り直球を右翼席へ運ばれ、即座にギアと気合を入れ直した。「ブルペンから直球がよくなかった」ため、会沢と話し合ってスライダーやツーシームを多投。3つの併殺を奪い、2回以降は強打のDeNA打線に三塁を踏ませなかった。

 4回には主砲の筒香に死球。敵地からブーイングが起きたが「当てたのは申し訳ないけど、内角に投げないと抑えられない」と動じない。8回2死二塁では、神里への5球目にこの日の最速149キロを計測。終盤でも余力を残す投球は独特のフォームが可能にした。

 「ボクのイメージはゼロから100です」

 中部学院大学時代から習得に励んだ脱力投法。投球の際、股関節には力を入れても腕には入れず、リリースで100の力を解放する。ソフトバンク、巨人で活躍した杉内俊哉がアイドルだ。「投げ方が格好いい。映像を見て研究していました」。9回127球の熱投はその成果だった。

 「9回までは考えていなかったけど、よく投げてくれた。大きな自信になると思う」。緒方監督は、投手陣の台所事情が苦しい中で出現した24歳の孝行息子に目を細める。

 思い起こせばプロ初勝利から1週間後の17年4月19日、長期離脱を余儀なくされた左肘痛を発症したのがDeNA戦だった。同じ相手を牛耳る快投。ウイニングボールは、手術を受けた群馬県館林市の病院に感謝の思いを込めて贈るという。

 「これからもチームの勝利に貢献できるように頑張るだけです」

 苦難を乗り越え、大きな一歩を踏み出した左腕。巻き返しへ、次回登板が待ち遠しい。(江尾 卓也)

続きを表示

この記事のフォト

2019年4月14日のニュース