タイムリーエラーに4三振で中田散々

[ 2008年2月28日 06:00 ]

<日本ハム・ヤクルト>9回1死一塁 空振り三振でこの日4つ目の三振の中田

 【日本ハム7―3ヤクルト】ダルさん、申し訳ないッス。日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が27日、練習試合・ヤクルト戦(名護)に先発出場し、3回にプロ初の適時失策を犯した。先発・ダルビッシュ有投手(21)が押し出し四球で1点を失った後の2死満塁でガイエルの一ゴロをはじくと、自慢のバットも5打数1安打。3回に中前適時打を放ったが、あとの4打席は4三振と精彩を欠き、試合後は居残り特打を行った。

 みそぎの居残り特打だった。試合後、すぐにバットを握った中田は打撃ケージへ入った。時間にして45分間。その後方で見守った梨田監督は「内角も変化球も意識するから手が出ない。間がないからパニックになっている」と説明すると、今キャンプで初めて自らアドバイスを送った。
 「間をつくれ!」。うなずいた怪物は軸足となる右足にタメをつくり、左脇腹が開かないようにバットを振り続けた。145スイングでサク越えは26発。「最初は打ちにくくてだまされたつもりでやったけど、その後からいい打球も飛ぶようになった」。最後はかすかに笑みも浮かんだ。
 8度目の対外試合は散々な結果だった。まずは3回の守備だ。ダルビッシュが1死満塁から青木に押し出し四球。2死までこぎつけたが、中田がガイエルの平凡な一ゴロをはじいた。ただエースは可愛い後輩のミスを気にするそぶりはない。「エラーは何とも思わない。その前に(田中浩の)投ゴロ(記録は内野安打)を捕っていればよかっただけ」。真喜志内野守備コーチも「以前は投手が投げる時も突っ立っていたが、ちゃんと体を沈めるようになった」と進歩を認めれば、指揮官は「あれはイージーミス。現状だと三塁の守備は厳しいが、一塁ならやれそうな気がする」と責めなかった。
 それでも甲子園を沸かせた“元投手”は反省しきりだ。「高校で投げている時は1つの失策が負けにつながると感じていた。簡単なミスを少なくしていかないと…」。ショックを引きずったわけではないが、打撃も空回りした。まずは2回、昨季韓国で22勝したリオスから見逃し三振を喫すると、5回の第3打席から3打席連続で空振り三振。9回の五十嵐にはすべて直球ながら2、3球目の甘い球に手が出ず、最後は高めのボール球にバットが空を切った。
 「4三振?記憶にないけど高校時代は本塁打か三振だった時期もあるので、たぶんあったんとちゃいますか…。今はいろいろなことを考えているからど真ん中も見逃してしまう」。06年夏の甲子園。当時早実の斎藤(現早大)に喫した3三振に次ぐ屈辱だが、落ち込んでいる暇はない。「バットのいい所に当たって角度さえあれば場外は当たり前。開幕スタメンを目指すからには守備もしっかりとやっていきたい」。課題が多ければ練習をすればいい。キャンプ打ち上げまであと2日。中田の目つきも変わってきた。

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2008年2月28日のニュース