阪神との強化試合で「全力疾走」と「一発」 韓国の若きスターが不安を消した

[ 2026年3月3日 11:00 ]

WBC強化試合<阪神・韓国代表>5回、同点ソロを放った金倒永(撮影・中辻 颯太)
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【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表のKBOリーグでプレーする野手11人の中で、昨季の試合数が極端に少ない選手がいる。出場したのはわずか30試合。その選手がWBC開幕を3日後に控えた3月2日の阪神との強化試合(京セラドーム)で「不安」を消した。

 金倒永(キム・ドヨン)22歳。2024年に3割30本100打点40盗塁を記録し、KBOリーグMVPに選出。同年11月のプレミア12でも存在感を示した若きスーパースターだ。しかし昨季は負傷が続いた。その箇所はすべてハムストリングス。太もも裏側の筋肉損傷だった。

 昨年3月の開幕戦2打席目、金倒永はレフト前ヒットを放ち一塁ベースを回った際に左太もも裏の痛みを訴え離脱。約1カ月後に復帰するも5月下旬には盗塁時に右太もも裏を負傷した。8月の再登録時には復帰後3試合目の守備時に再び左太もも裏を痛めた。以後、昨季は治療に専念した。

 韓国代表を率いる柳志炫(リュ・ジヒョン)監督はチームに欠かせない右打者として故障上がりの金倒永を代表選手に選出。1月のサイパンキャンプ、2月中旬に再招集の沖縄2次キャンプと状態を見守ってきた。

 金倒永にとって本格的な復帰初戦となった阪神戦、1番・三塁で先発出場すると1打席目の三塁手前への緩いゴロは内野安打に。2打席目も同じような当たり。微妙な判定でアウトになったが2打席続けての「全力疾走」で持ち前の俊足を見せた。

 迎えた3打席目、金倒永は阪神の3番手・早川太貴の初球の変化球をとらえ左中間に同点ソロホームラン。2年前に何度も見せた「打って走って」の金倒永の姿が戻ってきた。

 試合後、金倒永はこう話した。

 「(事前合宿の)沖縄ではコンディションを気にしていましたが、そのことを考えてWBCに来るのはそぐわないと思いました。体への不安は振り払って臨んだところいい結果につながったと思います」

 試合は3―3で9回規定により引き分け。金倒永は「勝てなくて残念」と話したが、韓国代表にとって「金倒永の復活」が見えた価値ある一戦となった。

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