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(4)新谷志保美 30歳…失意の選考会から再挑戦

[ 2009年11月19日 06:00 ]

スピードスケートW杯ベルリン大会で力走する新谷志保美

 「4年なんて本当に早い」と笑うスピードスケート女子短距離の新谷志保美(竹村製作所)は、8月で30歳になった。「年はわきまえてますから」と冗談めかすが、これが五輪に出場するラストチャンスになりそうなことは自覚している。

 2002年ソルトレークシティー冬季五輪の翌シーズンにブレークし、世界スプリント選手権で総合3位。日本女子短距離の次代を担う存在と期待された。だが、05~06年のトリノ五輪シーズンは調子を崩し、五輪代表選考会だった全日本スプリント選手権では500メートルと1000メートルを合わせて5人の代表にも入れず。レース後は涙声で「ありがとうございました」と引退もにおわせた。
 「2週間は自宅に引きこもった」という失意から再挑戦へと気持ちが向かうきっかけになったのは、所属企業の幹部のひと言。強引に呼び出された新年会で「続けるんでしょう?」と言われた。「応援してくれる人がいる。恩返しがしたい」と立ち上がった。
 世界スプリント選手権で上位を争った時の雰囲気が忘れられない。「拍手や歓声が滑る自分を追ってきた。五輪なら、どんな感じなんだろう」。今季のワールドカップ(W杯)も調子はなかなか上がらない。しかし「前回は気持ちが守りに入っていた。今は滑りや道具をかえていく勇気がある」と挑戦者に徹し、夢の舞台に向かって滑る。

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2009年11月19日のニュース