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聖火リレー前でもみ合い 日本人3人保護

[ 2008年4月21日 15:17 ]

 マレーシア警察によると、クアラルンプール中心部の独立広場近くで21日午前11時(日本時間正午)すぎ、北京五輪の聖火リレー開始前に、チベット独立の象徴「雪山獅子旗」の小旗を掲げた男性ら日本人3人が中国系とみられる人々に取り囲まれてもみ合いとなり、警察に保護された。

 3にケガはなく、事情を聴かれた後、同日夜に警察署を出た。マレーシア在住の姉と弟と姉の息子で「チベット情勢のニュースを見て行動を思い立った」と報道陣に語ったが、名前などは明らかにしなかった。警察によると、息子は5歳。
 目撃者によると、男性が「フリー・チベット(チベットに自由を)」と叫んだところ、殴られそうになり、警察が割って入ったという。
 世界各地でリレーの妨害が繰り返されているため、警察は1000人態勢で警備。抗議行動に絡み、このほか2人を拘束したと発表した。
 リレーは独立広場を出発、超高層ビルのペトロナス・ツインタワーまでの16・5キロを80人でつないだ。
 マレーシアで聖火リレーが行われるのは1964年の東京五輪以来。クアラルンプールは市民の4割強が中国系で、独立広場には中国人留学生や市民ら約2000人が集まったほか、沿道でも多数の中国国旗が振られた。
 中国は今年1~2月期にマレーシアの最大輸入相手国となるなど存在感を増しており、同国のライス外相は20日、「聖火リレーに加わる名誉は中国との親密な関係を反映している」との声明を発表。「北京五輪を政治問題化させてはならない」と中国の立場に理解を示した。(共同)

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2008年4月21日のニュース