バトン、愛の快走「日本のみんなに“ガンバッテ”と」

[ 2011年10月8日 06:00 ]

フリー走行でトップタイムをたたき出したマクラーレン・メルセデスのジェンソン・バトン

F1日本GPフリー走行

(10月7日 鈴鹿サーキット)
 F1日本GPが開幕し、2回のフリー走行が行われ、マクラーレンのジェンソン・バトン(31)がいずれもトップタイムをマークした。恋人でモデルの道端ジェシカ(26)が見守る中、日本GP初制覇へ好発進した。ザウバーの小林可夢偉(25)は13、16番手と出遅れた。

 現在総合ランク2位のバトンが全セッション終了後、チームのモーターホームで道端と抱擁を交わした。1回目のフリー走行で同僚のハミルトンを0秒091差でかわし、2回目もフェラーリのアロンソに0秒174差をつけ最速タイム。日本の国旗をあしらった特別なヘルメットで疾走した英国人は「鈴鹿を走るのは楽しい。特にマシンの感触がいい今回はね。快調なスタートを切れてハッピーだ」と端正なマスクをほころばせた。

 日本との縁は深い。かつてホンダの正ドライバーとして活躍し、現在は道端と交際中。たびたび来日して都内のジムで一緒にトレーニングをする姿などが目撃されている。それだけに3月の東日本大震災には心を痛めた。「日本は僕の第二の故郷。最高のレースを見せて、日本のみんなにさらなる力を与えたい。日本のみんなに“ガンバッテ”と言うんだ」。日本GPの成績は、04年のBARホンダ時代の3位が最高で、初優勝を目指す。

 前戦シンガポールGP(決勝9月25日)では脱水症状に陥りながらも4戦連続表彰台の2位に入り、フェテルの2年連続総合王者に待ったをかけた。日本GPでバトンが優勝し、フェテルが11位以下の無得点の場合だけタイトル決定は次戦韓国GP(決勝16日)に持ち越しとなる。「シーズンを終わらせないため僕が盛り上げないといけない」。まずはきょう8日の公式予選で09年モナコGP以来のPPを狙う。

 日本GP開幕2日前にチームから来年以降の複数年契約が発表された。同僚は08年の総合王者ハミルトン。F1デビューの07年には、コンビを組んだ元総合王者アロンソとの争いに勝つなど、これまでチームの同僚には総合ポイントで負けたことがない。バトンは残り5戦でハミルトンに17ポイント差をつけて優位に立っている。「決勝ではイチバンになりたい」。名門マクラーレンのエースにのし上がった男は、鈴鹿では05年のライコネン以来6年ぶりにチームに優勝をもたらす。

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