新型プリウスのブレーキ苦情、日本でも14件

[ 2010年2月3日 18:50 ]

 トヨタ自動車が昨年発売したハイブリッド車の新型プリウスについて「一時的にブレーキが利きにくくなる」といった不具合に関する苦情が、米道路交通安全局(NHTSA)に100件以上寄せられたことが2日分かった。日本でも、こうした苦情が国土交通省に14件寄せられているという。

 トヨタは3日、「北米と日本の販売店を通して、数十件の苦情を受けている」と認めた。この日、同社の佐々木真一副社長から説明を受けた直嶋正行経済産業相によると、トヨタは現在生産している車には、ブレーキを制御するコンピューターを調整する対策を既に施したという。
 ただ、公表していなかったことを疑問視する声が出る可能性もある。今後は販売済みの車に改修などが必要かが焦点。
 プリウスはトヨタの先進技術を象徴する存在として高い人気を誇ってきたが、海外に加え国内でも品質問題が拡大すれば、業績やイメージに対する打撃になりそうだ。
 国交省への苦情は「左右のタイヤの回転差が検知された瞬間にブレーキが1秒程度利かなくなる」「凸凹道で減速中に突然制動力が低下した」などの内容。千葉県松戸市で昨年7月、2人の軽傷者を出す事故があったとの情報があるという。
 佐々木副社長は記者団に対し、ブレーキをめぐる苦情について「フィーリング(操作感)の問題と考えている」と述べ、プリウスもリコールに踏み切るかは「不具合の内容によりけりで、調査中だ」と語るにとどめた。
 新型プリウスはすべて日本国内で生産しており、トヨタがアクセルペダルなどの不具合でこれまで米国でリコールを決めたカムリなどの8車種には含まれていない。
 NHTSAによると、米国では、段差を乗り越えた後や滑りやすい路面を走行中にブレーキが短時間利かなくなり、衝突事故を起こしたケースなどが報告された。(共同)

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2010年2月3日のニュース