2団体王座統一に挑む井岡の対抗王者・マルティネス攻略の鍵は?
WBA&IBF世界スーパーフライ級王座統一戦 井岡一翔<12回戦>フェルナンド・マルティネス ( 2024年7月7日 両国国技館 )
16戦全勝(9KO)のIBF世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネスはアルゼンチン・ブエノスアイレス州出身の32歳で、身長は1メートル65の井岡よりもやや低い1メートル61。オーソドックスで、ファイター寄りのボクサーファイターだ。
アマではフライ級で2015年世界選手権、16年リオデジャネイロ五輪ともに初戦敗退。26歳でデビューしたプロでは当初バンタム級で、4戦目でスーパーフライ級に転向した。22年2月に米ラスベガスで当時のIBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に3―0で判定勝ちし、14戦目で世界王座を奪取すると、同年10月のアンカハスとの再戦でも3―0判定で返り討ちにして初防衛に成功。昨年6月、ジェード・ボルネア(フィリピン)に11回TKO勝ちして2度目の防衛を果たしており、井岡との統一戦が約1年ぶりの試合となる。
オーソドックスながら左ジャブから組み立てるパターンは少なく、左のフックや長い右ストレートを振って距離を詰め、接近戦でフックを連打して自分のペースに引き込む、フィジカルを生かすスタイル。パワフルで手数もスタミナもあり、追い足はそれほどでもないが、序盤から勢いに乗せるとプレスを止めるのが難しくなる。
ディフェンスもブロック主体で巧みに見えるが、ボルネア戦では左ボディーを受けて苦しむ場面が何度か見られた。近年の井岡は接近戦でブロックしながら精度の高いパンチを打ち込むスタイルに変わってきており、会見で明かしたとおり「彼の距離で打ち勝つ」のであれば、フックの被弾を減らしながら効かせるボディーを数多く打ち込めるかが勝敗の鍵を握りそう。逆にプレスを止められずにロープに詰まり、カウンターを狙いすぎて手数が少なくなるような展開は避けたい。
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