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井上尚弥「志が低い」 “悪童”ネリ本性現すも一蹴 練習着で挑発返し「黒ヒョウに食らいつくということ」

[ 2024年4月11日 05:30 ]

プロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦   井上尚弥《12回戦》ルイス・ネリ ( 2024年5月6日    東京ドーム )

<井上尚弥公開練習>シャドーボクシングする井上(撮影・島崎忠彦)
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 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が31歳の誕生日を迎えた10日、ルイス・ネリ(29=メキシコ)との防衛戦に向けて横浜市内のジムで練習を公開した。米専門メディアでの挑発で“悪童”の本性を現した挑戦者を一蹴するなど余裕の対応。5月6日の東京ドーム決戦へ早期決着を示唆し、4団体統一王者としての貫禄を漂わせた。

 約100人の報道陣を前に、井上はシャドーボクシングとサンドバッグ打ちを2ラウンドずつ披露。この日31歳の誕生日を迎え、花束を贈られると「年は関係なくパフォーマンスも凄く成長している。いいキャリアの積み方ができていると改めて感じる」と充実の表情を浮かべた。

 公開練習に合わせるように、悪童が本性を現した。米専門メディアの「ボクシング・シーン」が9日、挑戦者ネリのインタビューを掲載。井上に対し「過大評価されている。彼は普通のファイター。自信過剰」などと挑発を繰り返した。先月の会見時には「まず皆さまに謝りたい」と冒頭に過去のトラブルを謝罪するなど“優等生発言”を繰り返していた男の豹変(ひょうへん)ぶり。それでも王者は「そっちが本物ですよね。この間のは何だったのか」と笑みを浮かべて余裕の対応。井上らに勝って引退するとの発言にも「志が低い」と一蹴した。

 井上はこの日、黒地に白のヒョウ柄のロゴがあしらわれた練習着を着用。ホワイトタイガーをイメージしたもので、ネリの愛称「黒ヒョウ」に対抗したことを明かし「黒ヒョウに食らいつくということ」と説明。試合で着用するトランクスの一部にもヒョウ柄を取り入れる予定で、鋭い牙を喉元に突き立て問題児を黙らせる。

 34年ぶりの東京ドームでのボクシング興行で日本人初のメインイベンター。「5万人近いファンの声援は自分にとってプラスに傾くもの。その声援を背に、とてつもない試合をしたい」と改めて決意表明。「どのパンチでも倒せる準備はしている。まあ決着は早いかもしれない」。言葉の節々に4団体統一王者としての確かな自信をにじませた。 (伊東 慶久)

《体重超過対策でリザーバー用意》
 ネリの体重超過対策としてリザーバー(代役)を用意することを、大橋会長が発表した。興行の第1試合で元IBF世界スーパーバンタム級王者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)がスーパーバンタム級8回戦を行うことが決定。ネリ欠場の場合は、WBO同級3位、IBF同級7位のドヘニーが挑戦者となり、井上とタイトルマッチを戦うことになる。ネリへの“プレッシャー”をかける意味合いがあることを明かした大橋会長は「そうならないことを願う」と語った。ネリは18年3月、元世界王者の山中慎介戦で体重超過を犯した“前科”がある。先月の会見で大橋会長は、ネリが前日計量でわずかでも超過があった場合は「絶対にやりません」と断言していた。直前に対戦相手が変更となる可能性にも、井上は「日本では珍しいかもしれないが、海外ではよくあること。そこには対応していきたい」と冷静に話した。

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