藤波辰爾 師匠アントニオ猪木さんとの“最後のシングル”を回顧「途中から“永遠に続いてくれ”と思った」
プロレスラーの藤波辰爾(69=ドラディション)が19日、文化放送「くにまる食堂」(月~金曜前11・00)にゲスト出演。師匠であるアントニオ猪木さんとの“最後のシングルマッチ”を振り返った。
藤波は70年に日本プロレスに入門。当時の日本プロレスにはアントニオ猪木さんと馬場さんが所属しており、藤波は憧れの猪木さんの付き人を長い間務めた。レスラーとして成長すると猪木さんと戦う機会も増えた。その中で88年8月8日に横浜文化体育館で行われた猪木さんと最後のシングルマッチは「レスラーが付き人で入って、師匠と戦うのはそれまではあまりなかった。今でも宝ですね」と話し始めた。
当時、IWGPヘビー級王者の藤波に猪木さんが挑戦するという構図だった。猪木さんは引退も噂される中で、優勝すれば藤波に挑戦できるトーナメントに参戦してきた自体に驚いたという。「猪木さんにはプライドもあったと思うし、信じられなかった」と語り、そのトーナメントを勝ち抜いた猪木さんの挑戦が決定した。
最後のシングルマッチは、60分フルドローで藤波が防衛。試合後には、猪木さんが藤波の腰にIWGPのベルトを巻いた。「戦っているうちにフォールが取れなくて、結果的には60分引き分けになりました。途中から“この時間が永遠に続いてくれ”と思いました。最後の方は心地良い時間でしたね」と回顧した。
試合中には猪木さんの次の動きが読める場面があった。「若手時代はセコンドでエプロンからずっと試合を見ていました。だから猪木さんの息遣いや動きが手に取るようにわかるんですよ。試合中に猪木さんが次に何をやるのかわかるんですよ」と明かした。
試合後には改めて猪木さんの凄さを知った。「猪木さんは“付き人だったお前なんかにフォールされない!”という思いがあったんでしょうね。試合が終わった時に、僕がカバーしてたはずなのに猪木さんは切り返して、猪木さんが上になってましたもんね」と猪木さんの意地を感じた瞬間だったと話し、この話題を締めた。
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