【ONE】日本人初の立ち技王者・秋元皓貴 初防衛戦は“完封”テーマ「ONEでこの階級の世界一は自分」
格闘技イベント「ONE Championship」は19日にシンガポールで「ONE 163」を開催する。メインイベントで「ONE Championship」で日本人初の立ち技王者に輝いたキックボクシングバンタム級王者・秋元皓貴(Evolve MMA)がペッタノン・ペットファーガス(タイ)を相手に初防衛戦に臨む。秋元は初防衛戦を前に主催者のインタビューに応じて、現在の心境などを語った。
小学2年生で空手を始めた秋元。07年10月にキックボクシングデビュー。19戦無敗でWBCムエタイ日本フェザー級タイトルを獲得。その後14年に空手に復帰し、17年に全日本フルコンタクト空手選手権軽量級で優勝。19年1月に6年ぶりにキックボクシングに復帰して「ONE Championship」に参戦。復帰2戦目となった同年3月のヨゼフ・ラシリ(イタリア)との試合でプロ初黒星。しかしその後は4連勝。前回の試合では中国の強豪チュー・ジェンリャンから判定勝利を挙げてタイトルマッチにこぎつけた日本空手界を代表する天才が今年3月の「ONE X」でのタイトル初挑戦で王者に輝き、「ONE Championship」スーパーシリーズ日本人初の王者となった。
王者に輝いた3月の試合は本当にタフな試合だったという。「2ラウンド目で、いけるって。確実に勝てるって思ったんですけど、それでも5ラウンドまで一瞬でも気を抜いたら負ける、やられちゃうっていうのは常に思っていました。一発がある選手ですし、本当にギリギリまで気が抜けない戦いでした。今まで自分が練習してきたことを出せたのはすごく良かったのかなと思います」と振り返った。
チャンピオンになるまでもタフな相手との試合が続き、アンダードッグ扱いをされてきたことが多く、タイトルマッチも秋元がアンダードッグという声もあった。「厳しい相手と戦ってきたからこそ、自分が成長させてもらったと思っています。しっかりと準備してきたってことがあったので、見とけよっていうか、ここで自分の強さを見せつけてやるっていうのはすごく思っていました」と当時の心境を回顧した。
今大会ではメインイベントで初防衛戦になるが気持ちの変化は全くない。「この試合は防衛戦でもあるかもしれないですけど、僕にとってはこれも挑戦の一つ。自分がチャンピオンだってことを自覚して、この8ヶ月間トレーニングしてきましたし、本当にこの階級でONEのサークルの中での世界一は自分だと思っているので、それをしっかりと証明したいと思います」と強さを証明する事を誓った。
対戦相手のペッタノンについては「たくさんのタイトルを獲得している。本当にベテランで、レジェンドと言っても良い選手だと思います」と話し、「本当に体は大きいですけど、そこはそんなに意識していないです。それよりも経験が豊富なので、過去の映像とかを見ていると、タイミングを取るのが上手い選手だなっていう印象があるので、それをいかに崩すか。相手の都合の良いタイミングで攻撃をさせないように、いかに動くかが重要になると思います」と印象を語った。
今回の試合は自分だけ攻撃して相手には攻撃をさせず“完封”がテーマだと宣言した。「自分が見せたいのは、しっかりと1ラウンドからプレッシャーをかけていって完封すること。もちろん倒すことを前提として戦っていくんですけど、自分はスタミナにも自信があるので、1ラウンドからどんどん削って、削っていきます。自分は、5ラウンドまでフルで動けますけど、削って相手がフラフラになるような試合にするのも面白いと思う。チャンスがあればしっかりと倒しにいきたいと思います」と作戦を明かした。
そして「本当に自分の試合っていうのは、見ているとそこまでわからないと思うし、見ているだけだとポイントを稼ぐファイターって思われるかもしれません。でも、どの試合でもしっかりと相手にダメージを与えているんです。僕は攻撃をもらっていなかったりとか、攻撃のもらい方がうまいっていう部分を見てほしいなって思うし、そういうところに中々気づいてもらえないと思うんですけど、これからもそういう自分の強さを見せていって証明したいですね」とも話した。
最後に「ONEスーパーシリーズ、キックボクシングもムエタイもそうですが、ここが本当に世界最高峰で、このベルトが本当の世界一だと自分は思っています。自分は、SNSで自分のことをアピールするのとかは苦手だし、これからもそういうのをしていくつもりはないですけど、このタイトルを守っていってしっかりと自分の強さを試合で証明できるように、これからも頑張っていきたいなと思います」と意気込んだ。
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