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ボクシングでの事故 担当レフェリーが辛い胸の内を吐露「毎晩夜中に目が覚めるんだ」

[ 2018年12月18日 19:58 ]

グボジアク戦でKO負けを喫したスティーブンソン (AP)
Photo By AP

 プロボクシングの前WBC世界ライトヘビー級王者アドニス・スティーブンソン(41=カナダ)は1日にカナダのケベック州で行われた防衛戦で11回TKO負け。フィニッシュの場面でスティーブンソンはオレクサンデル・グボジアク(31=ウクライナ)の連打を浴び、力なくキャンバスに崩れ落ちた。

 王座から陥落したスティーブンソンは、自力でリングを後にしたが、控え室で容態が急変。めまいなどの体調不良を訴え、会場近くの病院へ緊急搬送されると、外傷性脳損傷と診断された。一時は危篤と伝えられたが、外科手術が施された後に容態が安定。だが、現在も昏睡状態が続いているという。

 試合のストップのタイミングは難しい。早ければ批判を浴び、遅ければ事故を招く可能性もある。この試合でレフェリーを務めたマイケル・グリフィン氏はストップのタイミングが適当であったか自問自答を繰り返した。

 「この試合を少なくとも100回は見直した。サウスポー(スティーブンソン)と右構え(グボジアク)の対戦では、(試合をストップするために)両者の間に割って入るのが難しくなる。スティーブンソンが防御できない状態になったので試合をストップした。この判断に間違いはなかったが、スティーブンソンとグボジアク、そして自分との位置関係の問題で、結果としてストップに入るまで少し待たなければならなかった」

 これはカナダのモントリオール・ジャーナル紙(電子版)が16日に掲載したグリフィン氏のコメント。「こうした事故の後には、できるだけ早く現場に戻ることだ」と話す通リ、グリフィン氏は15日に行われた試合でレフェリーを務め、すでに“現場復帰”を果たした。それでも、自分が担当した試合で事故が起これば、精神的につらいもの。次の言葉がそれをよく表しているだろう。

 「食欲がなくなり、体重は10ポンド(4・5キロ)落ちた。あの試合が頭から離れず、毎晩のように夜中の4時に目が覚めるんだ」

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