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“内山魂”だ!田口 V7成功で国内3人目の統一王者

[ 2018年1月1日 05:30 ]

WBA&IBF世界ライトフライ級王座統一戦12回戦   ○WBA王者・田口良一 判定3―0 IBF王者ミラン・メリンド● ( 2017年12月31日    東京・大田区総合体育館 )

11R、王者の意地をむき出しに打ち合う田口(右)とメリンド
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 トリプル世界戦が31日に行われ、世界ライトフライ級王座統一戦はWBA王者・田口良一がIBF王者メリンドに3―0で判定勝ち。井岡一翔、高山勝成に次ぎ国内3人目の統一王者となり、WBA王座7度目の防衛に成功した。WBO世界フライ級王者・木村翔は元WBC王者の五十嵐俊幸に9回TKO勝ちして初防衛に成功。IBFミニマム級王者・京口紘人は8回TKO勝ちで初防衛に成功した。

 左側頭部を切り、血だらけで戻った9回終了後の赤コーナー。石原雄太トレーナーから「最後の3ラウンドを取らないと負けるぞ」と言われた田口は一気に前へ出た。伸びる右が、左フックがメリンドを捉え、IBF王者の膝が揺れる。「気持ちと気持ちの戦いだと思っていた。気持ちを前面に出せた」。終了ゴングと同時に両腕を突き上げた2冠王者は胸を張った。

 1回終盤、メリンドに打ち込まれると2回からジャブでペースを掌握した。懐へ入ってボディーから連打を狙う相手を突き放し、中盤に再び攻め込まれるとまたジャブ。後半はスタミナの差が明らかだった。「最後はKOできると思ったけど、内山さんのようにはいかないですね」。苦笑しながらも「この試合に勝てば、いろいろと自信を得られると思った。自分は強いんだ、という気持ちが出てきた」と言い切った。

 元WBA世界スーパーフェザー級王者のジムの先輩、内山高志氏が憧れだった。内山氏の前座で世界王者になったが、当初はオマケ扱い。田口自身にも明確な目標がなかった。それでも内山氏を手本に成長を続け、先輩の昨夏の引退表明を機に積極的にジムの後輩の面倒を見るなど自覚が高まった。昨年4月から始めた一人暮らしでは野菜を多めに取るなど健康に気を配り、毎冬恒例の風邪も11月中旬以降は無縁だった。

 「内山さんはみんなが“強い”と言う。山中(慎介)さんや長谷川(穂積)さんも。自分もそうなりたい」。強い相手を求めて統一戦を希望。前WBO王者・田中恒成(畑中)との対戦は田中のケガで流れたが、人生最大の勝負で自ら価値を高めた。「内山さんに変わってじゃないけど、ジムを引っ張っていかないといけない、という思いが出てきた。来年はもっと強くなりたい」。“KOダイナマイト”の後継者は謙虚に、力強く宣言した。

 ◆田口 良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれの31歳。芝商卒業直前にワタナベジムでボクシングを始め、06年7月プロデビュー。13年4月、日本ライトフライ級王座獲得。同年8月、初防衛戦で井上尚弥に判定負けして陥落。14年12月、ロセル(ペルー)に判定勝ちしてWBA世界同級王座獲得。身長1メートル67.5の右ボクサーファイター。

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