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村田、世界で名前売る!激戦区のミドル級では“新参者”と冷静分析

[ 2017年10月24日 05:43 ]

自身が1面を飾ったスポーツ紙各紙を広げ、スポニチを手に笑顔の村田
Photo By スポニチ

 ボクシングのWBA世界ミドル級新王者となった12年ロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が戴冠から一夜明けた23日、都内の所属ジムで会見した。5カ月ぶりの再戦でアッサン・エンダム(33=フランス)に7回終了TKO勝ちしたが、激戦階級のミドル級では“新参者”であると分析。ビッグマッチ実現へ、海外でも評価される試合を続けることを当面の目標に掲げた。

 正午前、ジムに姿を見せた村田は疲れ切った表情だった。祝勝会に出席した前夜はホテルに戻ったのが午前3時半。ほぼ眠れず、朝からテレビ出演をこなした。会見で「チャンピオン」と声を掛けられると「むずがゆい。まだ村田選手と呼ばれる方が心地いい」と苦笑いしたが、WBAミドル級は元3階級制覇王者フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)も獲得した王座と指摘されると「うれしい。大好きな選手なので」と相好を崩した。

 日本人のミドル級世界王者は竹原慎二以来2人目。だが、それだけでは認められないのが伝統の階級だ。自分自身でも「まだ海外では“村田って誰だよ”というレベルの立ち位置」と理解している。ミドル級のトップにはWBAスーパー・WBC・IBF統一王者ゴロフキン(カザフスタン)や元WBC王者サウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ)が君臨。防衛回数や具体的な目標は考えないとしながらも「そこにどう割り込んでいけるか。自分の価値を海外で上げる、名前を売る試合をやって、その先でトップ・オブ・トップとやれれば」と目指す方向性を口にした。

 帝拳ジムの本田明彦会長は初防衛戦を来春に日本、V2戦を夏頃に米国で行う方針。米トップランク社のアラム・プロモーターは米ラスベガスでの試合を計画している。「面白い試合、ビッグマッチにつながる試合をやっていきたい」。そう話した村田が頭に描くのは、誰からも愛される「ピープルズ・チャンピオン」。スポーツにおける「応援の力」を信じていなかったという金メダリストは「昨日は皆さんが背中を押してくれるのが分かった。応援する価値のある選手でありたい」と言って居住まいを正した。

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2017年10月24日のニュース