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“神の左”山中、パッキャオ復帰を歓迎 7ケ月のブランク「問題ない」

[ 2016年11月1日 20:41 ]

パッキャオ復帰戦の見どころを語る山中慎介(C)NAOKI FUKUDA

 6階級制覇を成し遂げたボクシング界のレジェンド、マニー・パッキャオ(37=フィリピン)が5日(日本時間6日)、米ラスベガスでジェシー・バルガス(27=米国)の持つWBO世界ウェルター級王座に挑む。今年4月の試合を最後に一度はリングを降りたパッキャオにとっては、7ケ月ぶりの復帰戦。世界的に注目度の高い一戦に、WBC世界バンタム級王座を11度防衛中の山中慎介(34=帝拳)も大きな期待を寄せている。

 パッキャオは4月、過去1勝1敗のライバル、ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)との決着戦に臨み、2度のダウンを奪って圧勝した。戦前から「これがラスト・ファイト」と宣言していたとおり試合後には引退を表明し、5月にはフィリピンの上院議員選挙に出馬して当選を果たした。しかし、その前後から「いまは引退するけれど、本心を言えば戦い続けたい気持ちはある。その割合は50―50」と複雑な胸中を明かしていたので、戦線復帰のニュースを聞いて驚いた人は意外に少ないのかもしれない。山中も「ブラッドリー戦を見た誰もが『まだまだ現役のトップとしてやっていける』と思ったでしょう。自分を含めパッキャオの試合を見たいファンは多いし、嬉しい」と話し、復帰を歓迎している。

 気になるのは7ケ月というブランクだが、山中は「4月以降、どんな生活を送ってきたかということは分からないが」と前置きしたうえで「ボクサーにとっての7ケ月はブランクというほどの期間ではないし、まったく問題ないと思う。練習も新たな気持ちで再開したのでは」と説明する。

 今回の復帰に関し、パッキャオは記者会見で「支えてくれる皆さんに恩返ししたい。ボクシングを続けながら(フィリピンの)国民を救えるということを証明する」と話した。これを聞いた山中は「僕は(ボクシングに専念して)11回の防衛に成功したけれど、ほかのことをやりながら…ということは考えられない。並外れた精神力だと思う」と舌を巻いた。

 対戦相手となるバルガスは1メートル78、リーチ180センチと大柄で、パッキャオよりもそれぞれ12センチ、10センチ上回っている。経験値ではパッキャオに及ばないが、それでもスーパー・ライト級とウェルター級の2階級を制覇した実績を持っている。パッキャオにとってはリスクのある復帰戦ともいえるが、山中は「不安よりも楽しみの方が大きい」という。「(20代後半の)スーパー・フェザー級時代のような踏み込みは難しいかもしれないけれど、パッキャオにはテクニックもあります。それに自分は気持ちを前面に出すスタイルが好きなので、それが見られるかも。バルガスは正統派なので、パッキャオの力が存分に発揮できると思う」と期待を込める。

 鮮やかなKO劇が見られるかどうか。「戦う上院議員」に世界中の注目が集まる。試合は6日(日)午前11時からWOWOWプライムで生中継する。

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2016年11月1日のニュース