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インパクト大!28歳の女子プロボクサー チャオズ箕輪

[ 2016年9月25日 10:00 ]

プロデビュー戦を勝利で飾ったチャオズ箕輪

 そのリングネームからしてインパクト大だ。チャオズ箕輪、28歳の女子プロボクサー。アマチュアでは箕輪綾子の本名で07~13年に全日本女子選手権7連覇、08年世界選手権8強など抜群の実績を残した。ロンドン、リオと五輪出場を逃し、プロ転向を決意。9月21日にワタナベジムからプロデビューした。

 アマの実績で言えば、箕輪綾子のままでも十分にプロで名前は売れる。だが、一度聞いたら忘れられない印象を残そうとリングネームを餃子の中国語読み「チャオズ」に決めた。栃木県宇都宮市出身。もちろん、名産の餃子は「常に冷蔵庫に入っている。一口サイズならあるだけ食べられる」ほどの大好物だ。当初は同じ栃木県出身の渡辺均会長にリングネームを反対されたが、9月8日に開かれたプロデビュー発表会見の際、報道陣の前で会長に公開直訴。デビュー戦から「チャオズ」でリングに立つ権利をまんまと勝ち取った。

 後楽園ホールで行われたプロデビュー戦では、さらに強烈なインパクトを残した。餃子のロゴが入ったトランクスを身に着けてタイ人選手とのフライ級6回戦に臨み、3回KO勝ち。相手との距離が予想より近いと判断するやボディー攻めに作戦を切り替え、最後は左ボディーを叩き込むと、相手はエプロンまで転がって悶絶した。「ホッとした。アマの実績があるので内容も問われるとプレッシャーがあった」。動きが硬かった原因を明かしたが、同時に「華やかな場所でみんなに喜んでもらえるのは嬉しい」とスポットライトのまばゆさに感激した。

 プロデビュー発表会見では、「ミニフライ級からライト級まで、チャンスがあれば行く」と9階級制覇を宣言して報道陣を驚かせた。ミニフライ級の体重は46・2キロがリミットでライト級は61・2キロと実に15キロの差があるが、全日本女子選手権ではバンタム級で4連覇後、一度フライ級に落とし、そこからライト級へ上げて7連覇を果たしている。「減量は苦にならないけど、増量はやりたくない。米を中心に炭水化物とか、泣きながら口に入るものなら何でも食べた」と苦笑しながらも「2カ月あれば大丈夫です」と頼もしい。

 国内女子初の3階級制覇王者・藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が10月1日にメキシコで、世界タイ記録の4階級制覇に挑戦する。「藤岡さんはたぶん4階級を獲ると思う。自分は5階級制覇で抜かしたい」。当面の目標となる藤岡とはアマ時代から何度もスパーリングで手を合わせ、「強さプラスうまさがある」と実感した。自身に足りない“うまさ”は「試合を積まないと分からないと思う」と話す期待のルーキーには早くも10月9日、韓国でプロ2戦目の舞台が用意されている。(中出 健太郎)

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