就活中の桑田、55キロ級K―1初代大学王者に輝き“プロ内定”
K―1 WORLD GP 2016 IN JAPAN
(9月19日 東京・代々木第2体育館)
スーパー・フェザー級世界最強決定トーナメントの開催を前に、アマチュア大学生日本一を決める「K―1カレッジ 大学生日本一決定トーナメント」が初開催された。55キロの決勝では、就職活動中の桑田裕太(21=千葉商大)が3R1分22秒KOで医学部生の野村優(23=弘前大)を撃破。栄えある初代王者に輝いた。
王者の称号以上に、大きなものをつかみ取った。夢はプロ。「就職活動」として臨んだ大学生活最後の夏の日本一決定トーナメント。「内定、もらえたんじゃないですかね、K―1に。初代チャンピオンというのは一番印象に残る選手。率直に最高でした」。日本一になって“内定通知”を確信した桑田は、両拳を突き上げた。
相手の癖を冷静に見抜いていた。最終3R。「打ってくるときに、ガードが低いというのがあった」。仕掛けてきた瞬間、狙い澄ました右のハイキックでダウンを奪う。インターバルから再開した直後には「狙っていた」という左ストレートを見舞い、2度目のダウンを奪って勝負をつけた。
赤コーナーで挑んだ21歳にとって、赤はラッキーカラー。「赤コーナーで負けたのは1回だけ」。この日のために髪の毛の色まで真っ赤に染め上げて医師の卵を破った。「(この先は)初代王者に恥じない試合をしたい」。“就活ファイター”は貫禄すら漂う笑みを浮かべた。
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