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山中、報道陣の“挑発”にカウンター 吉報は「パナマに届かない」

[ 2016年9月14日 05:30 ]

検診を終え、モレノ(左)と握手を交わす山中

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介≪12回戦≫同級1位アンセルモ・モレノ

(9月16日 エディオンアリーナ大阪)
 ボクシングのダブル世界戦の予備検診が13日、東京と神戸で行われ、4選手とも異常なしと診断された。11度目の防衛を目指すWBC世界バンタム級王者・山中慎介(33=帝拳)と指名挑戦者で同級1位のアンセルモ・モレノ(31=パナマ)の1年ぶりの再戦は、モレノの母国パナマでも生中継が決定。今年は日本人世界王者が2人続けてパナマ人選手にベルトを奪われているが、山中はパナマメディアの挑発気味の質問に対し“連敗ストップ”を予告した。

 「パナマでは前回の試合をモレノの勝ちという人が多い。今回、明確に勝つためにどうするつもりか。作戦を変えるのか?」。検診後の会見で、母国での生中継に備えて来日したパナマのケーブルテレビ局「カブレオンダスポルト」のビジャレアル氏が山中に聞いた。「作戦を変えるというより、あと数発パンチを当てるだけ。残念ながら、今回の試合も良い結果報告はパナマに届かない。覚悟してほしい」。王者の返答は痛烈だった。

 昨年9月の対戦は、2―1判定で山中の辛勝。今年、パナマ人選手との世界戦で日本はスーパーフェザー級の内山高志(ワタナベ)がコラレスに、スーパーフライ級の河野公平(同)がコンセプシオンに敗れたが、ビジャレアル氏は「コラレスは勝てないと思っていたしコンセプシオンは不安定な選手。3人の中ではモレノが一番ベルトに近いと思っていた」という。それだけにモレノの会見では「(3試合の中で)最も簡単に終わるのでは?」と問いかけてモレノを喜ばせ、挑戦者も「2人がベルトを持ち帰ったことはうれしい。何が何でも勝つ」と意気込んだ。

 だが、同氏への返答通り、山中の手応えは増すばかりだ。検診で顔を合わせたモレノを「1年前より全体的に小さくなっている」と評し、「練習でのパンチは良い軌道だったし、やれることはやったので今は自信満々」と言ってのけた。前回はかわされたパンチを当てるため、踏み込みや角度を微妙に修正。検診では3月のV10戦よりリーチが3センチ短く「測り方によるものと思う」と苦笑したが、今回はストレッチに時間を割いて肩甲骨周辺の柔軟性が増し、逆にパンチの伸びを実感している。大和トレーナーが「世界戦で一番の出来」と太鼓判を押す仕上がりで、“対パナマ連敗”を2でストップする。

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