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村田諒太&香川照之が持論展開 ロマゴンは4階級制覇なるか?

[ 2016年9月10日 10:00 ]

帝拳のローマン・ゴンサレス(C)NAOKI FUKUDA

 ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23=大橋)が、来年の対戦を目指すローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)が10日(日本時間11日)にカルロス・クアドラス(メキシコ、帝拳)とWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ(WOWOWプライムで11日午前11時から生中継)を行う。4回級制覇を狙う“ロマゴン”の大一番についてロンドン五輪ミドル級金メダリスト・村田諒太(30=帝拳)と芸能界屈指のボクシング通、俳優・香川照之(50)が見どころを語った。

【村田諒太が語るローマン・ゴンサレスVSカルロス・クアドラス】
――試合展開の予想をお願いします。
 「チーム帝拳同士の戦いということで、やはりワールドワイドなジムなのだなと改めて感じました。日本だと同じジム同士の戦いはありませんが、海外だと同じジム同士の戦いは当たり前ですので」

――チーム帝拳として接することもあるかと思いますが、両者の印象は?
 「ロマゴンとしてはちょっと怒りを感じますよね。クアドラスがツイッターとかでいらないことを言っているみたいなので。盛り上げるためだとは思いますが。クアドラスも自信満々みたいなので面白い試合になると思いますが、ロマゴンの勝ちは動かないかなと。クアドラスもローマンにつめられて上下に打ち上げられたら耐えられないんじゃないかなというところはありますけど、ロマゴンが一回スーパーフライで調整試合をした時に、あんまり動きにキレがなかったんですよね。フライ級にあげたばっかりでスーパーフライで動きづらいのかなという感じがあったので、いまはスーパーフライでどういう身体を作るかというところだと思います」

――ロマゴンの最大の良さは?
 「よどみのない波状攻撃。滑らかにずっと繋がるような連打です。僕らが真似しようとすると、一回止まる“一時停止”があるのですが、ロマゴンは水が流れるかのように連打が出続けるという強さですね」

――ロマゴンにしたらクアドラスはやりづらい相手だと思いますが?
 「僕もそう思います。でも、クアドラスもロマゴンみたいな選手とやったことはないので、そういった意味では面白い試合。まず、ロマゴンが前の試合で判定までいきましたし、そのあたりの復調状況と、スーパーフライ級にどうアジャストしていくかというところがポイント。クアドラスのボクシングとロマゴンのボクシングのかみ合わせがどう融合していい試合になるかですね」

――勝った選手が井上尚弥と戦うシナリオになっていますが?
 「ロマゴンはフライ級で無理のない選手なので、スーパーフライでやっていく意味があるのか。どう考えてもロマゴンのほうがビッグネームなので、井上選手が合わせる必要がありますよね」

――もし井上とロマゴンが戦ったらどんな展開になりますか?
 「序盤、勝負にかけて井上選手がパンチで攻めたら、ロマゴンも耐えられないと思います。ただ、中盤以降に井上選手が疲れてきて、パンチの軌道を読みはじめてきて連打してきたら、井上選手がもロマゴンみたいな選手と戦ったことがないので、中盤、後半勝負になってきたらロマゴン有利でしょうね。しびれる試合になると思います」

【香川照之が語るローマン・ゴンサレスVSカルロス・クアドラス】
――ロマゴンとクアドラスの試合を最初に聞いた時はいかがでしたか。
 「よくクアドラスが受けたなと。自信があるのでしょう。ローマン・ゴンサレスは誰にも止められない状態。ただウエートが一つ上がるということが一番大きいので、クアドラスの潜在的能力も含めて最近の中では最も拮抗(きっこう)した試合になると思います」

――ロマゴンはクアドラスが苦手なのでは?
 「ライトフライからフライに上げたあたりでボディーワークとステップを緩くしながらも潜在能力だけで寄せつけないというのがあったので、最初に彼がキャリア前半で持っていたような全般的なスピードだったりパンチの切れだったりというのは確実に失っていると思います。しかし、ボディーワークとボクシングをいろんな選手とやる経験の中でこう打ったらこうだという経験値がスピードを失っても上回っている気がするので、そういった意味ではクアドラスは出入りの激しい1秒たりとも気を抜かない忙しいボクシングをすることによって、何か可能性がある気はします」

――今回は同門対決です。
 「どちらかに負けがつくわけで、そういう意味では非常にハラハラした試合だなと思います。メキシコとニカラグアというと、20年前のリカルド・ロペスとロセンド・アルバレスのWBCとWBAの統一戦で、リカルド・ロペスに初めて引き分けで傷がついた試合。あの試合のようにもし何かが起こるとすると、同門対決は同門対決ですが、メキシコとニカラグアという中南米同士の激しい国の意識の意地の争いもあるような気もします」

――井上とロマゴンが対戦するシナリオはどうですか。
 「仮にクアドラスがゴンサレスに勝って、ゴンサレスに1つ負けがついたとしても、井上選手とゴンサレスはスーパーマッチだと思います。どうせならお互い無敗のままやってほしい」

――ロマゴンとクアドラスの試合予想は?
 「判定までいくと思います。目を切ったりとかアクシデントがなければ。判定でゴンサレス。相当忙しいボクシングをクアドラスがしたとしても、ゴンサレスのあの雰囲気にジャッジがほれますよ。1回スウェイしてすぐアッパーを吸い上げて、すぐまた外からボディを打ったりとかいうコンビネーションを見るだけで、『これは本物』というジャッジを味方に常に付けている選手。その意味では判定でゴンサレスだと思います」

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