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寿以輝10代最後「ど派手に」 7・9プロ5戦目「担架で帰らせる」

[ 2016年5月25日 05:30 ]

公開練習でサンドバッグを打つ辰吉寿以輝

 看板選手への第一歩だ。プロボクシングの元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の二男、寿以輝(じゅいき)のプロ5戦目が7月9日にエディオンアリーナ大阪第2で行われることが24日、所属ジムから発表された。インドネシアのリオ・ナインゴラン(5勝1KO2敗)と対戦する。今回はメインイベンター、外国人との対戦、6回戦と初物尽くし。しっかりKOで勝って偉大な父に近づく。

 すべてを背負って立つ決意表明だ。大阪市内のジムで会見した寿以輝が高らかにKO宣言した。「とりあえずブチのめして、担架で帰らせます」。今回でプロ5戦目。ボクサーらしい威勢のいい発言が板に付いてきた。

 7月9日、エディオンアリーナ大阪第2で迎える舞台は気合が入って当然だ。初めてメインイベンターに抜てき。初体験のことはまだある。4回戦を卒業して6回戦。相手は年齢不明のインドネシア人だが、外国人との対戦も今までなかったことだ。

 過去4戦とは明らかに違う環境になるものの、肝は座っている。メインカードについては重圧どころか「気分は悪くないです」と歓迎。日本人以外との対戦にも「別に見た目だけで…」と気にも留めなかった。2回増えても「意識は特にない」と悠然。コメントには“浪速のジョー2世”の肩書にふさわしいパンチ力があった。

 直近2戦は判定勝ち。その反省から、右を生かすためのジャブを特訓中だ。吉井寛会長は「パンチはある。それをいかに発揮できるか」と期待をかける。8月3日が20歳の誕生日で、これが10代最後の試合となる。「まあ、ど派手に」。狙いは言わずもがなのKOだ。

 予想以上に早く訪れたメインカードには、ジムの事情もあった。日本ランカーの中沢奨ら先輩2人が活動拠点を変えるため。アマ経験がないプロ5戦目が看板選手を任されるのは荷が重いが、これも辰吉家に生まれた宿命なのかもしれない。渡辺二郎、六車卓也、そして父。世界王者を輩出した伝統ジムを背負う戦いは、ここから始まる。

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2016年5月25日のニュース