人母美 初の世界戦はKO負け…今後の明言避け「一回休みたい」
WBOのダブル女子世界戦が行われ、スーパーフライ級は世界初挑戦のモデルボクサー高野人母美(ともみ、28)が4回1分26秒KO負けした。戦績は10戦8勝(5KO)2敗。王者ダニエラ・ベルムデス(24)は2度目の防衛に成功した。
青コーナーからタオルが投げ込まれた。4回、連打を浴びて後退した高野が右フックでダウン。ダウンを想定して練習した通りに立ち上がろうとしたが、膝に力が入らなかった。「頭の中がキーンとなって真っ白になった」。デビューから2年半での世界初挑戦は無残な結果に終わった。
初回から右オーバーハンドをもらい続けた。ラウンド終了間際にはパンチを受け、試合前日に必勝祈願した富岡八幡宮のお守りが胸ポケットから飛び出しリング外へ落ちた。8・5センチのリーチ差を生かせず、懐に入られて「パンチをもらって気持ちが焦り、手が出なくなった」とうなだれた。
モデルとの両立で注目を集めてきた。デビュー当時は“猫パンチ”を振り回すだけで「ボクシングなんか辞めちまえ」とヤジられて泣いた。それでも今年6月にスーパーバンタム級で東洋太平洋王者となり、2階級下げて世界挑戦。11キロの減量も乗り越えたが、経験の浅さは否めなかった。
今後については「一回休みたい。負けることも想像できなかった。(金平)会長と話したい」と明言を避けた。金平会長の「(辞めるのは)もったいない。普通なら1年かけてやる練習を3カ月でやった」との言葉を聞くと、涙をこらえ切れずにタオルで顔を覆った。
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