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和毅 ダウン奪うも判定初黒星「負けた気しない」再戦要求へ

[ 2015年5月11日 05:30 ]

9日の世界戦でガッツポーズする勝者ジェイミー・マクドネルに対し、不満の表情をあらわにしていた亀田和毅

WBA世界バンタム級タイトルマッチ ●挑戦者・亀田和毅 判定 ○王者・ジェイミー・マクドネル

(5月9日 米国・ヒダルゴ)
 挑戦者で前WBO世界バンタム級王者・亀田和毅がキャリア初黒星を喫し、王座奪取に失敗した。王者のジェイミー・マクドネルから3回にダウンを奪ったが、手数で劣りジャッジ3人が1点差の0―3で判定負け。戦績は通算31勝19KO1敗になった。陣営は判定を不服とし、WBAに再戦を求める方針を示唆した。

 王者の防衛がアナウンスされると、場内はブーイングに包まれた。ジャッジ3人が113―114。1点差で敗北を喫した和毅は驚きの表情を見せ、何度も首をかしげた。「しっかりと有効打を決めたし、効いたパンチももらった覚えがない。俺は勝ったと思っている。負けた気は全くしない」。拳に手応えがあっただけに、簡単に敗戦を受け入れられなかった。

 均衡を破ったのは和毅だった。距離を取ってジャブを突き、チャンスを見計らって前に出た。3回1分57秒。重心を下げてボディー打ちの動作を見せると、ガードが下がった相手の顎に強烈な右フックを叩き込んだ。王者が背中からキャンバスに倒れ込む豪快なダウン。「計画通りに事が運んだ」。中盤までは和毅のラウンドだった。

 だが、中盤以降にペースが落ちた。決定的な一発こそ食らわなかったものの、小さなパンチを繰り出す王者に手数で劣る。それが、点差が示す通りの際どい判定結果に表れた。リングサイドの長男・興毅は「和毅は勝負に勝って試合に負けた。判定には納得できひんけど結果が全て」と負けを認めながら、代理人のヘイモン氏から「判定を不服としてWBAに提訴し、再戦を要求する」との話があったと明かした。

 試合直前、WBOは王者マクドネルの上にスーパー王者がいることを理由に、この試合を統一戦と認めないことを発表。和毅はやむを得ずWBOバンタム級のベルトを返上し、挑戦者として臨んだ。亀田ジムは事実上、国外追放の処分を受けるなど国内外で逆風にさらされているが、和毅は「審判を納得させるにはどうしたらいいのか、試合を見直して出直します」と謙虚な姿勢を示してに会場を後にした。

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