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川崎初の世界王者だ!2・27黒田が挑戦 フロンターレ全面支援

[ 2013年1月11日 06:00 ]

世界挑戦が決まった黒田雅之は川崎フロンターレのマスコット「ふろん太」(左)、 川崎新田ジムのマスコット「ショープ君」とガッツポーズ 

 プロボクシングの川崎新田ジムは10日、川崎市内で会見し、WBA世界フライ級9位の黒田雅之(26)が2月27日に川崎市とどろきアリーナで、王者ファンカルロス・レベコ(29=アルゼンチン)に挑戦することを発表した。川崎市内のジムに所属する選手が川崎市内で世界戦に挑戦するのは初。サッカーJリーグの川崎Fからは全面バックアップの約束を取りつけ、川崎初の世界王者を目指す。

 初の世界挑戦はジムのある川崎市内での開催に決まった。4度防衛した日本ライトフライ級王座を返上し、階級を1つ上げて臨む黒田は「地元で多くの方に見てもらえる。気合が入っています」と静かな口調で意気込みを口にした。

 王者レベコはライトフライ級、フライ級の2階級を制覇した強敵だ。「僕がこんなことを言っていいのか分からないけれど、相手に不足はない」と言って、自らを奮い立たせた。昨年は2戦2分け。売り出し中のアマ7冠、井上尚弥(大橋)の公開プロテストの相手を務めて、一方的に打ち込まれる屈辱も味わった。苦闘続きの中で巡ってきたビッグチャンスに「今までは自分で評価を下げていた。今回勝てばおつりがくる」と力が入る。

 心強いのは強力サポーターの存在だ。「地元密着」を理念に掲げる川崎新田ジムは、これまでも同じ川崎を拠点とする川崎Fとコラボしてきたが、今回も全面支援を受けることが決まった。チームのマスコット「ふろん太」がラウンドボーイを務めるほか、サポーター団体の「川崎華族」が応援のリーダー役を務める。川崎Fは過去にも川崎市にある大相撲の春日山部屋の応援ツアーを実施し、国技館を水色のウエアを着たファンで埋めたこともあるだけに、頼もしい限りだ。

 黒田は闘志を内に秘めるタイプで、かつて「国立大出身(横浜国大)で初の王者(東洋太平洋バンタム級)」として話題を集めた新田渉世(しょうせい)会長(45)は「汚い言い方だが、キレることができれば戦える」という。アリーナ中に響く大声援があれば、黒田の勝負魂も解放されやすいだろう。合言葉は「川崎発世界」。心強いアシストを得て大舞台に挑む。

 ◆黒田 雅之(くろだ・まさゆき)1986年(昭61)7月17日、東京都稲城市生まれ。都立永山高1年時にボクシングを始める。アマ戦績は1勝2敗。05年5月プロデビュー。11年5月に日本ライトフライ級王座を獲得。右ボクサーファイター。1メートル67。

 ▽川崎市とボクシング 現在川崎市には川崎新田のほか、北沢、京浜川崎、新開の計4つがある。世界王者を出したジムはなく、世界挑戦も今回が初めて。また、川崎市体育館では過去に1度世界戦が開催されており、89年3月に協栄ジム所属の杉谷満がWBA世界フェザー級王者のアントニオ・エスパラゴサ(ベネズエラ)に挑戦したが、10回KO負けした。神奈川県内では横浜市の大橋、花形、横浜光などから世界王者が誕生している。

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2013年1月11日のニュース