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石井 スタミナ切れも判定で難敵撃破、リオ五輪目指し柔道再開へ

[ 2013年1月1日 06:00 ]

石井(左)はシルビアに痛烈なパンチを浴びせる

 IGF「INOKI BOM―BAーYE2012」(スポーツニッポン新聞社後援)は31日、東京・両国国技館で行われ、プロ格闘家の石井慧(26=I DASH RHINO)が、元UFCヘビー級王者のティム・シルビア(36=米国)に3―0の判定で、2年ぶりの勝利を挙げた。体重差34キロのシルビアを攻めきれずに最後はスタミナ切れとなったが、難敵を撃破。石井は16年のリオデジャネイロ五輪を目指し、13年からは柔道も本格的に再開する。

 判定勝利を告げられても、石井はぐったりと前かがみになった。リング上では今にも泣きだしそうな表情で「酸欠で気持ちが悪くなってしまった。でも技術面よりも気持ちで勝てたことがうれしい」。自身より34キロも重い元UFC王者の老かいさに苦しみながら、辛うじて2年ぶりの勝利を手にした。

 序盤は、左右のパンチで前に出て小外刈りでシルビアを倒すと、グラウンドでは肘や打撃で優位に立った。1R3分すぎには肘でシルビアの右眉を出血させた。だが、2Rからは相手が首相撲の体勢からの攻撃に変えたためペースを乱された。1年ぶりの実戦も響いたのか、徐々に動きも止まり「相手はうまくて最後は立っているのがやっとでした」。明らかに全盛期の出来になかった相手を仕留めることができず、内容には不満も残った。

 だが、どうしても勝ちたかった。昨年8月にファンだった同じ大阪出身の歌手・林明日香と知り合いになった。練習や試合が中止になって落ち込んだときには電話で激励してもらい「本当に気持ちの面で助けてもらった」と前向きになった。12月28日にも東京・下北沢で行われたライブに花束を持って駆けつけ、元気をもらった。12年最後の一日に恩返しができた。

 13年は柔道の米国代表を目指して“古巣”にも復帰を果たす。4月12、13日の全米体重別選手権にもエントリーを済ませており「来年は柔道もやるけれど、IGFにまた出たい。試合をコンスタントにやりたい」。気持ちでつかんだ勝利を手にIGF継続参戦を表明した。

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2013年1月1日のニュース