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“パパ”山中、必勝宣言!「ミルク代を稼がないと…」

[ 2012年8月30日 06:00 ]

ゴルフ場でランニングする(左から)五十嵐、粟生、三浦、山中

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者山中慎介―同級7位トマス・ロハス

(11月3日 仙台市)
 プロボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(29)ら帝拳ジム所属の世界王者3人が29日、千葉県成田市で合同合宿を公開した。山中は10月19日に沙也乃夫人(27)が第1子となる長男を出産予定であることを明かし、2度目の防衛戦での必勝を宣言した。沖縄で勝利を信じる妻子への最高のプレゼントは2戦ぶりのKO勝利だ。

 疲労がピークに達した王者を支えているのは「家族愛」。ただ、それだけだった。23日からスタートしたゴルフ場での地獄合宿も終盤に突入。練習を終えて肩で息をした山中だが、沙也乃夫人の話題になると、笑顔を取り戻し、言葉に力を込めた。「毎日1回は連絡してるんですよ。(妊娠前から)体重が10キロ増えて心配なので“あまり食い過ぎんな”と言ってます」。

 山中はこの日、現在妊娠9カ月の夫人が地元・沖縄で男児を出産することを明かした。予定日は10月19日。2度目の防衛戦の2週間前のため出産には立ち会えないが「勝って(長男を)見るのが楽しみです」と、必死に過酷なトレーニングに耐えてきた。

 今回の合宿ではスタミナ系中心の走り込みトレに加えて、初めてスプリント系のメニューを取り入れた。その狙いは、爆発力を養い、試合での決定力を強化すること。4月に行われた元2階級制覇王者ダルチニャンとの初防衛戦で9連続KOが途切れたが、王者の体内には、再び相手を倒すという闘志が燃えたぎっている。

 守るべき人ができた今、「生活が懸かっていることを実感している」と漏らす。そして「負けられない思いが、より一層強くなった」と拳を強く握りながら吐き捨てた。名城信男、河野公平を沈めた日本人キラーが相手でも、パパとしての初勝利はKO。それしかない。「頑張るぞという気持ちが強い。ミルク代を稼がないといけませんからね」。緩んだ王者の表情に父親としての自覚が芽生えていた。

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