日本ハム伊藤の印象的な一言 逆風の流れをつかめるか

[ 2025年9月11日 08:00 ]

日本ハム・伊藤
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 「逆風張帆(ぎゃくふうちょうはん)」。日本ハム・伊藤大海投手(28)が、9日の首位・ソフトバンク戦後のお立ち台で発したこの言葉は印象的だった。逆風の中でもあえて帆を張って船を進めることで、困難に立ち向かう姿を意味する。

 前カードのオリックス戦で3連敗。ソフトバンクに優勝マジック15が点灯し、4ゲーム差で迎えた直接対決。まさに逆風の中での戦いだった。前日8日に伊藤は、大阪でのチームの戦いの印象を問われた。「現場にいなかったらなんとも言えない」と言葉を慎重に選びながらも「殺気がないというか…。優しいわけじゃないんでしょうけど、食ってかかる雰囲気はここ数試合、あまり感じない」と話してくれた。

 そして、当日にマウンドに上がった伊藤にはその“殺気”が漂っていた。2回に3失点しても崩れない。何度も、何度でもマウンド上で吠えた。その姿は鬼神のよう。エスコンフィールドの4階席にある記者席にも、叫び声が届いた瞬間もあった。7回6安打3失点の粘投。もちろん、決勝弾を放った今川優馬外野手(28)も、2打席連続アーチを放ったドラフト5位ルーキー・山県秀内野手(23)も凄い。だが、エースの魂の投球には強く心を打たれた。

 逆風張帆は、少し聞き慣れない感じもあるが、対照的な意味を持つ言葉は「順風満帆」が挙げられる。物事が思い通りに進むことで、一般的にもなじみのある言葉のように思う。5日の大阪移動では大雨の影響で7時間超も新幹線乗車し、今季2度目の試合開始遅れを経験した。20年ほど在籍するチームスタッフは「ここまでチームに長くいて試合時間が遅れたことなんて、1回しかない。それが今年だけで2回って本当に珍しいよね」と言った。

 どうやら普通とは違う年なのだろう。伊藤は登板前日にこうも言っていた。「なんか、このまま終わる気はしないんですよね」。順風満帆じゃなくたっていい。逆風の流れをつかめば何かが起こるかもしれない。
(記者コラム・田中 健人)

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